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そして今日も考える。

賭け金は授業料

賭け事と聞いて何を思い浮かべますか?パチンコ、スロット、競馬、競艇、カジノ、麻雀。様々ありますが、今挙げた中では麻雀だけが少し異なります。人対人の勝負だからです。

 

麻雀が好きな人は意外と多いです。ギャンブルをするなんて人間のクズだと私は今でも思っていますが、高学歴でマジメそうな人の中にも麻雀が好きな人は沢山います。大学時代の研究室では毎晩のようにジャラジャラと牌の音が聞こえたものです。

 

麻雀は賭け事というよりゲームとして非常に面白いものだと思います。将棋やチェスのような崇高性を秘めており、奥の深いものです。そのため、お金を賭ける必要がわからず、賭けるならやらないという人もいます。将棋やチェスは普通お金を賭けたりしませんからね。

 

私も元々は、賭けるならやらない派でした。パチンコやスロットはたとえ負けたとしても組織に対する恨みです。しかし、対人の勝負ともなると、負けた時に友人を恨むことにもなりうる上、友人に恨まれる可能性だってあるわけです。

 

麻雀を日常的にしている人は金を取られたくらいで恨んだりしないと平気で言いますが、初めての人にとってはかなり心配なものです。そして、実際にお金を賭けることにより些細な口論になることもしばしばあります。友人たちの器の小ささ、自分の器の小ささと向き合う覚悟が必要です。

 

翻って、賭けないならやらない派の人もいます。素人から見ると、彼らは友人からお金をぼったくりたいだけの悪人にすら見えます。しかし、彼らは自分の腕にそれなりの自信を持っており、真剣勝負だからこその面白みを味わうことが目的です。負けたらヤバいというスリル、そして勝てば金を得ることができるという期待が、麻雀というゲームを面白くするのです。

 

お金を賭けなくても真剣にやればいいではないか、と素人目には思えるかもしれません。しかし、これは実際に賭けて麻雀をしてみないと理解できない考え方です。麻雀は決断の連続です。後半に進むにつれ、攻めるべきか守るべきか、また守ると決めても、どれが1番安全なのか、などの選択を毎ターン強いられます。そして、危ない橋を渡ろうとするときに、落ちてもどうにもならないなら、簡単に渡ってしまうのが人間です。そして、その安易な選択がゲーム全体を盛り下げてしまいます。真剣にやっている人からすると、遊び感覚でやっている人がいると非常に困るというわけです。

 

賭けるのは必ずしもお金が欲しいからというわけではないのです。賭けることによってゲーム自体の質が上がるのです。なので、賭け麻雀をする際は、友人を軽蔑するのではなく、ゲーム自体の楽しみを増やすための料金程度に考えておくとよいでしょう。ただあまりに多額な金額を賭けると、あとからグチグチと友人同士で悪口を言い合うことにもなりかねないので、ちょうど良い賭け額を決める必要があります。それが難しいのですが。

 

また、賭けることにより、麻雀のルールが頭に入ってきやすくなります。私も賭けて麻雀をするようになってほとんどの役を覚えるようになりました。強くなりたいなら賭けろ、というのは、素人を騙すためのセリフではなく、真実だったのです。

 

しかし、麻雀が強い人は賭けないとやらない、そして、麻雀をほとんどやったことのない人は賭けるならやらない人がほとんどです。素人だけど上手くなりたい人は、どうすればいいのでしょうか。いきなり雀荘に行くとおそらく死ぬことになります。

 

なので、できれば友人にお願いして低レートでやってもらうのがおすすめです。とにもかくにも賭けなければ本当の意味で麻雀は学べないでしょう。授業料を払わないと質の高い勉強はできないのです。