関西人は関東人に対して少なからず偏見を持っています。そして、関西人が関東人を批判するときに必ず登場するのが、以下の3点です。
1. ツッコミがない
2. ボケやオチがない
3. エスカレーターに乗るとき右側で立ち止まる
3. は無視してください笑。あとの2点は笑いに関するものですね。関西に長らく住んでいると、面白いかどうかは別問題としても、会話を面白くするために、ボケやツッコミ、話にオチを作るのが当たり前になっています。そのため、関東人の話は面白くないと感じる人は多いようです。
これに対して、関東人の関西人に対する偏見は対照的です。
1. ツッコミを強要される
2. 会話にオチを強要される
3. エスカレーターに乗るときに・・・(略)
1. と2. は関西人とは全く逆ですね。というか、関西人の関東人に対する笑いの期待が相手に伝わっていることも意味します。そして、関東人はその笑いの期待をかけられること自体を迷惑に感じているのです。笑いに対する価値観の違いを考慮すれば当然とも言えるでしょう。
ここで、面白いのは、場合によっては関西人と関東人が全く逆の不満を抱くことがある点です。
例えば、私が関西人を代表して関東に行ったとしましょう。そこで出会った関東人が、関西人は面白い人種だ、と思っていたとします。すると、中には、「関西人だったら面白いことやって」みたいなことを言い出す人が必ずいます。いわゆる無茶ぶりです。
無茶ぶりされるのが好きな関西人はいません。過度に笑いを期待された上でのボケほど面白くないものはないからです。周りのサポートなしに無茶ぶりから笑いを生み出せる人は芸人の中でも珍しいでしょう。結果的に、関東人に対して、あんまり関西人って面白くないなーという不満を与えてしまう可能性があります。
で、相手の話やボケが面白くない、というのは一種の傲慢なんですよ。相手のボケが面白くないなら広げてやればいいし、相手の話にオチがないなら何か小ネタを付け加えてやればいい。どうしようもないなら笑ってやることだってできます。
それができないのに、関東人だから面白くない、関西人のくせに面白くない、と否定するのは自分の実力不足に気づいていないただの傲慢でしょう。無茶ぶりだけして相手が滑ったらハイ終わり、の人は面白くないというか人間的にしょうもない。その相手が芸人を目指しているなら話は別かもしれませんが。
無茶ぶりするなら、拾うか笑うか、何かしらのサポートはするべきです。これは古今東西関わらず、そして、「笑い」というジャンルに関わらずです。