∑考=人 〜プロメテウス〜

そして今日も考える。

倫理観を揺るがすビジネス② ~レンタルフレンド~

はい。引き続き、倫理観を揺るがすビジネス、今回はレンタルフレンドについてです。今ネットで話題になっています。

 

元々は「女性による便利屋」をモチーフにした会社が、便利屋ビジネスの一環として開始したサービスのようです。ホームページを一部抜粋すると、

  • 初めて参加するサークルに参加するのが心細いので、最初の数回だけお友達として参加してほしい。
  • 初めての街なので、お友達として良い飲み屋を紹介して付き合って欲しい。
  • イベントを友人にキャンセルされてしまい、代わりに来てくれるレンタルフレンドを探している。

という場面で利用してください、ということです。これも中々常軌を逸していて面白い。そんなのアリ?と思う人もいるかもしれませんが、資本主義が加速している世の中では、ニーズさえあればビジネスは発足するものです。実際、上記のような悩みを日常的に感じる人は結構いるんじゃないんでしょうか。現に、顧客のニーズの高まりから生まれたサービスだと、企業側は述べています。

 

問題になるのは、これって倫理的にアリかナシかということです。一見、Webテスト代行サービスとは異なり、目立った狡猾さはないように感じます。ただ、私はこのサービスには反対です。では、どこに問題点があるでしょうか?

 

まず一つとして、「レンタルフレンド」という名称から、お金によって作られた偽物の友人関係を想起させます。というか、実際にそうですよね。お金を払うことで、一時的に友達のフリをしてもらうのですから。利害関係で成り立つ友情は今までの倫理観に反発しうるものだと思います。

 

もう一つは、やはりその人のためにならない、ということでしょう。先ほどの問題とも関係してきますが、利害関係で繋がっただけの友人と、心から繋がった友人。どちらが人生をより豊かにしてくれるでしょうか。考えるまでもありませんね。自分が虚しいだけです。

 

しかしながら、結局それは強者の考える理想論でしかないのも事実です。順を追って説明しましょう。

 

レンタルフレンドは換言すれば、「一人では何の行動も起こせない人」のためのサービスです。厳しい良い方をすれば、一人では何もできないくせに、欲求だけは人一倍多い弱者のためのサービスです。

 

私が強者かは定かではありませんが、少なくとも私の場合、やりたいことがあるなら一人でもやるし、一人でできないことなら友人にお願いする、そして、人にお願いするのが面倒だったり、お願いできる友人がいない場合、また一人でやる勇気がないなら潔く諦めます。

 

ただ、このスタンスを全ての人に求めるのは不可能でしょう。一人だと不安で寂しいものですし、新しいことを始めるのも大抵勇気がいります。だから、新しい環境に入って、友人がいない状況をお金で解決できるなら、それは有難いことなのかもしれません。友人が一人もいないよりは、金だけでも繋がっている人間関係を現代人は求めているのです。程度は違えど、ツイッターやフェイスブックの現状を見れば明らかでしょう。本音を言えば、どんな人間でもいいから繋がっていたい、そう思うのが人間なのです。

 

私は自分の経験から、上辺だけの友人と繋がることの無意味さ虚しさを知っているつもりなので、このサービスには反対です。ただ、そういったことを本当の意味で知るキッカケにはなり得るサービスだと思います。

 

Webテスト代行サービスもレンタルフレンドも、ぶっちゃけ弱者をカモにしたビジネスです。だから、世間からは反対意見が止むことはありません。パチンコ屋やソーシャルゲームが非難されるのも同じ理由です。

 

しかし、これらのサービスは全て、失敗経験を売っているビジネスだとも考えることができます。Webテスト代行サービスを利用したからこそ、自分の力でやることの意味を見いだせる人、レンタルフレンドを利用したからこそ、本当の友人とは何かに気づける人、必ず出てくると思います。

 

一方で、Webテスト代行サービスを利用することで、自分の力で全てに対処する必要はないと気づく人、レンタルフレンドを利用したからこそ、別に人生で本当の友人なんて要らないんだ、と気づける人もいるかもしれません。風俗に行って、彼女が必要のないことに気づいた人もいます。あなたが本気でそう思うなら、それはあなたにとっての正解でしょう。

 

個人的には、こういった物議を醸すビジネスが登場するのは、巨視的には良いことだと思っています。第三者である私にとってはやはり必要悪なんです。こういったビジネスは一人一人がモラルについて考えるキッカケになります。本来、法律もモラルも時代に応じて変えていかなければならないものです。無条件に否定するのではなく、少し頭を働かせることで、自分なりの倫理観を形作っていくことが大切なのかもしれません。