∑考=人 〜プロメテウス〜

そして今日も考える。

スタートが遅ければ結果が出るのも遅くて当然

若くして経営者になる人がいますよね。アップルのスティーブジョブズライブドアホリエモンサイバーエージェントの藤田さん、ペパボ経営者の家入さんなどなど。彼らにはやはり注目が集まります。私も経営者が書いた本、というだけで購入してしまう時期がありましたし、今でも読んでみたいという気持ちは湧き上がります。エッセイとしては非常に面白いものです。

 

その手の本を経営本と勘違いする人も少なからずいると思います。経営者なりの成功のための手順や、考え方の工夫がたいてい記されています。彼らの言葉に触れていると、勇気さえあれば、何でもできるような気がするものです。

 

彼らには特別な才能があったから成功した。彼らは数パーセントの例外に過ぎない。このように、この手の経営者の自伝記を批判する人もいます。まぁ確かに自分には到底できないであろうことを、さも簡単にできるように言われたら、それはあんたに限った話でしょ?才能があるからでしょ?って言いたくもなるでしょう。私もどちらかというと、こちらの意見に賛成です。

 

ただ、私が気づいたのは、若くして経営者になる人は、スタートが猛烈に早い、ということです。冒頭で挙げた人たちは、そもそも大学在学中、あるいはそれ以前の段階から、実務経験もしくはプログラミングスキルなどを圧倒的に学んでいたのです。

 

史上最年少で東証一部上場を果たしたことで、少し前に脚光を浴びた、リブセンスの代表である村上太一さんも同じです。メディアでは見た目は平凡で温厚な印象など、普通の人であるように語られていますがとんでもないです。Wikipediaにはこんなことが書かれています。

 

 

明らかに普通の少年とは違う人生の歩み方をしています。つまり若くして経営者になるための道のりは実はとてつもなく長かったのです。彼らの青春時代は、客観的に見れば極めて灰色に近かったことだろう、と思います。彼ら自身にとってそうだったとは限りませんが。少なくとも、そうでない人生を送ってきた私たちにとっては、犠牲になったものの方が目立つはずです。

 

つまり、接客のアルバイトとサークル活動だけで大学時代をほぼ過ごしてきたような21歳の学生が、25歳で社長をやっている人がいることを知り、自分にもできるかもしれないと考えること自体が傲慢なのです。エセ意識高い系はどうもそういう発想になるようです。経営者たちは、お前ら舐めるなよ、と思うことでしょう。

 

私自身も少し似た経験があります。小学校の頃、私は天才少年でした。幼い頃から公文式に通っていたからです。すると私に影響されたのか、公文式に通うようになった友人が何人かいます。そして、皆一年と経たないうちに辞めました。結果が出ない、すなわち私に比べてはるかに劣るため、やっても無駄だと考えてしまったようです。もちろん、親の判断でしょう。

 

これも傲慢ですよ。3歳から勉強している私に、今勉強を始めたばかりのあなたの息子が追い付けるわけないでしょう。こっちはロクにキャッチボールもせずに、勉強していたんですから。少なくとも3年やって初めて小学生1年レベルの私に追い付けるかどうか、というのが辞めるかどうかの妥当な判断基準です。経験値の異なる人に刺激を受けるのは非常に良いことですが、比べること自体は無意味で愚かなものです。

 

たまに冗談っぽく「おれにも(私にも)お前の大学いけるかな?」という質問をされることがあります。私はこう答えます。「行けるよ。今から8年間ぐらい勉強すればな」本気で言っているのですが、これを聞いたらみんな諦めるでしょうね。諦めるということはその程度の願望であり、ただの憧れでしかない、というわけです。結果だけを急いでもどうにもならないものです。

 

結婚で焦る人も同じような心理ですよね。周りが結婚し出して、自分もヤバいと考える人は、それまでに積み重ねられる恋愛をしてこなかったということであり、そもそも魅力的な女性(すなわち男性が結婚したいと思う女性)になるための経験値を得ていないだけの話です。それを結果だけ焦って、早く結婚してくれる人だけ求めていたら、色んなところに不都合が生じるでしょう。

 

今回のエントリーは、自分への戒めとして書きました。高学歴の人にありがちなんですよ。昔の財産を消費しているだけにも関わらず、今の自分こそが凄いと勘違いしてしまう人。本当は要領が良いわけでもなく、過去の財産があるおかげで短期でも成果を出せてしまう人。私は正直、今になっても幼少期の貯蓄を減らしながら未来を切り開いている気がします。

 

「始めるのに遅いはない」ですが、「遅れた分だけ結果は遅くなる」のが世の常です。始めたのは遅いけど、結果はすぐに手に入れたいなんて、甘えでしかありません。明らかに無茶な課題設定をして夢見るよりも、愚直に前に進んでいく姿勢こそが結果を出すためには必要なはずです。