スマートフォンが普及してからというもの(普及する前からですが)、あらゆるものにIT技術を導入する動きが見られます。「スマートハウス」、「スマートシティ」など、従来はただのモノでしかなかったものに、ソフトを組み込む(ハードウェア化する)みたいな方向性です。私は勝手にスマート化と呼んでいます。
最近では、今まではただのアクセサリーだったものに、ソフトウェアを組み込んだ「ウェアラブルコンピュータ」という分野が流行っているようです。例えば、「スマートウォッチ」や「Google glass」(コナンの犯人追跡メガネみたいなもの笑)があります。
で、こういった商品は開発はされているものの、その価値については悲観的に考える人が多いようです。まぁ無理もありません。ほぼ全国民がスマートフォンを携帯している中、同じような性質をアクセサリーに付け加えても、商品として大きな魅力はないでしょう。スマートフォンの方が高性能だし、アクセサリーにガジェット要素が入り込みすぎると、アクセサリーとしての価値も低下してしまう気がします。
そもそも、何でもかんでもスマート化するという方向性で革新的なものが生まれるとは思えません。個人的には紙とペンが要らない超大型スクリーンの「スマートデスク」みたいなものが開発されれば嬉しいな、と思っていたりしますが。
スマートフォンが革新的だったからスマートフォンのような機能が素晴らしい、という考え方は少し安直です。そもそもスマートフォンが莫大にヒットした1番の理由ってなんでしょうか。色んなアプリが使えるから?パソコンのWebページが見れるから?ツイッターが使い安いから?今はそれもスマートフォンが支持される理由の一つですが、本質的には違います。スマートフォンが革新的だったのは、超わかりやすいタッチパネル操作を可能にしたからです。今でも「タッチパネル=スマホ」と考えている人はいるんじゃないでしょうか。
スマホの機能こそがイノベーティブだ、と定義しているからこそ、スマート化こそが科学を進歩、みたいな風潮が生まれてしまっているんだと思います。(もちろん、それはそれですごいことなのですが。)タッチパネルこそが革新的だと定義すれば、自ずと突き詰めるべきなのは、UI(ユーザーインターフェース)の部分ということになります。
例えば、ちょっとこの動画を見てください。
来年発売のiphone6のプロモーション動画らしいです。かつてのバイトの先輩から自慢されました。 みんなでこの動画を見た時は、満場一致で、「これは嘘に決まっている」という結論を出しました笑。こんなことできるはずがない、と。結構前からアップされていた動画ですが、未だに私は懐疑的です。
しかし、プレゼンで有名なTEDで、こんな動画も見つけました。
プラナフ・ミストリー :次なる可能性を秘めたSixthSenseテクノロジー | Video on TED.com
ここでも、iphone6の動画と同様、プロジェクター感覚で、操作画面を外の世界に出力することで、デバイスに触れることなく情報操作が可能になっています。開始9分ぐらいで紹介されている、紙上でレーシングゲームをしているあたりなんて、極めて革新的です。ITリテラシーの全くない人にも、その凄さがわかるはずです。
スマートフォンに変わるデバイスが生まれるとすれば、こういうガジェットなのでしょう。これ早く日本でも実用化されないかなー。