∑考=人 〜プロメテウス〜

そして今日も考える。

数式のUI

理系の論文にはたいてい、何らかの数式が登場します。y=x+3みたいな。嘘です。もっとわけのわからない複雑な数式が登場します。私も論文にいくつか数式を書きましたが、ほとんどの場合、∫とか∑などの一般の人にはよくわからない数学記号や、馴染みのないギリシャ文字が出現します。

 

で、あれって作るの結構めんどくさいんですよ。一応ワードにもパワポにも、数式エディタみたいな機能はついてはいるんですが、初めての人にとってはかなり使いにくいと思います。まぁ時間がかかるんです。しかも普通に作っているつもりでも、()の右と左がズレて表示されるとか、文字と文字との感覚が一部だけおかしいとか、ビジュアル面にも問題が発生することがあります。

 

その点、TeXというフリーソフトは、数式が綺麗に出力されることで評判です。うちの研究科はTeXによる論文作成が義務化されています。プログラム言語っぽい仕様で、ある規則通りに記述することで、数式を表示したり、図や表を貼り付けることができ、コンパイルするとpdfファイルで作成されます。自動的に目次とか章番号とかを割り振ってくれるので、編集がすごく楽だという利点があります。ルールを覚えるのが少し面倒なのと、コンパイルできない、みたいなエラーが発生することが難点です。

 

例えば、αと出力したいときには、$\alpha$と書きます。ちなみに$で囲むことで、その中に数式用の命令文が記述できるわけです。数式は綺麗ですし、キーボードを使うだけで数式を出力することができるので、比較的簡単に数式を作ることができるソフトと言われています。

 

でも実際のところ、これも結構面倒なんですよね(笑)。特に一文字のギリシャ文字を出力するために、上記のようにアルファベット全部入力しないとダメなんですよ。いちいち全部のギリシャ文字のスペルなんて覚えていませんし、なんかキーボードのaをαに対応させるとか、bをβに対応させるとか色々やり方あるんじゃないですかね。ないんですかね?それとも、一般的には今の入力方法の方がわかりやすいのかな。少なくとも私にとってはあんまり直感的ではないですね。

 

かといってパワポの数式エディタは、ほとんど、マウスによる操作で選択的に入力するため直感的ではあります。でもボタン多すぎて、本当に時間がかかる。最初に上付き文字があるかないかというのを選ばないといけないし、なんとなくインタラクティブ性に欠けている、と感じます。

 

例えば、文書作成はある程度タイピングを練習すれば、ペンで字を書くよりはるかに早く文字を入力することができます。しかし、数式の作成で言えば、現代においては確実にペンで実際に数式を書いた方が早いでしょう。数学のレポートを手書きで提出する人が多いのはそのためです。

 

要するに、数式の入力エディタは、手書きというアナログな方法が出し得るスピードを未だに超えていないわけです。この原因はソフトウェアだけで対応しようとしているのが問題なのだと思います。今のソフトは結局、今PCで使用されているキーボードとマウス、この二つの入力装置に対応したものの枠を超えていないからです。

 

本気で数式の速さにこだわるならば、ハードウェアからの見直しが必要になるでしょう。数式UIとしてのハードウェアを設計すれば、まだまだ改善の余地はあると思います。そして、これは理系学生や研究者、大学教授にとってはとてもありがたいものになると思うのですがどうでしょう。特に技術的に難しい点はないと思います。今さら私にとって必要なものではありませんが、数式のUIはもっと進化してもいいんじゃないでしょうか。