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そして今日も考える。

一気飲みって何が問題なんですか

・ネックノミネーション

「死のゲーム」流行、一気飲みで若者5人死亡 というニュースを見つけました。ネックノミネーション、簡単にいうと、一気飲みをして、そのビデオを見て面白がるゲームです。死亡事故が発生したこともあり、問題視されているようです。

 

しかし、「絶対にやめるべき」「このゲームをやる人が理解できない」といった一方で「大多数は楽しいビデオなんだから」と擁護する意見もあるようです。どうでしょう。ネックノミネーションという遊びに対してどのように感じますか?

・問題なのは一気飲み

そもそも、このゲームが、というよりも「一気飲み」という行為が問題です。一気飲みをすると、急性アルコール中毒にかかって人が死ぬ、という事件ははるか昔から存在しています。しかし、問題視されているのにも関わらず、一気飲みはいつまで経っても無くなりません。

・一気飲みは悪いことなのか?

私は一気飲みが悪いことだと思ったことはありません。今までのアルバイトの職場では当たり前のように毎回一気飲みをしてきましたし、最終的に一気飲みをするかどうかの判断をするのは自分です。死んだら自己責任であり、他人がとやかく言う問題ではありません。

 

そうはいっても、断らざるを得ないときもあります。飲み会での一気コールというのは壮絶な同調圧力がかかります。本当は断りたいのに、人間関係を意識しすぎて断れない、という場合もあるかもしれません。でも、無理やり口に押し込まれでもしない限りは飲まない選択はできるはずです。やはり1番の責任は本人にあります。

・「一気コール」と「車で迎えに来て」は同じ

私は何も一気コールを正当化するつもりはありません。ただ、一気コール自体に問題があるとするならば、「車で迎えに来て」とお願いする行為もまた問題だと言わざるを得ません。どちらも死のリスクを相手に押し付けているわけです。

 

しかし、「車で迎えに来て」と頼んだ相手が途中で死亡事故を起こしたとしても、その責任は本人にあるということになるでしょう。なぜならたとえ嫌々だとしても要求を受け入れたその人自身に責任があるからです。ならば、一気コールをした人に責任を求めるのではなく、一気コールを受け入れて一気飲みをした人が死んでしまったことに対して他人がとやかく言う権利はありません。

・一気飲みの文化は無くならない

このネックノミネーションの「大多数の人にとっては面白いから」というのは、実に本質を捉えた意見です。一気飲みが無くならないのも多くの人にとって面白いからなんです。そこに誰か命のリスクがかかってる、とか関係なく面白いと感じてしまうのが愚かな人間の性なのです。一気飲みは一種のエンターテイメントなのです。

 

私の発言に問題があると感じる人は多いのかもしれませんが、基本的に一気飲みはボクシングなどの格闘技や車やバイクのレースと同じです。命懸けで何かをやっている人を面白がってみる人が多いから、あの手の競技は種目として成立しているのです。ボクシングやレーシングを観客として楽しむのと、一気飲みを見て楽しむのは全く同じです。

 

ボクシングやレーシングで死ぬ人は後を立ちません。そして、そのサポーターたちが咎められることもありません。だから同じように一気飲みは無くなりません。そもそも事実と照合すれば、一気飲みという行為自体、現代の倫理感で間違ったことではないのです。

・一気飲みで死にたくないなら

一気飲みというのは、人間の愚かさが作り出した文化です。個人的にはボクシングやレーシングも同じだと思います。そういう文化を平然と楽しめてしまう人間がいることは仕方のないことなのです。なので、一定数の死人が出てしまうのも仕方ありません。一気飲みをなくしたいならアルコール飲料を無くすしかないでしょう。車の事故をなくしたいなら車を撤廃するしかないのと同じです。

 

社会的に無くすことは不可能ですが、自分が一気飲みで死なないようにするのは簡単です。一気コールをされても飲まない。飲んだふりをする。途中で諦める。そもそも一気コールが登場するような飲み会に参加しない。究極的にはお酒を飲まない。これで完璧です。

 

そんなことしたら人間関係が構築できない、という人もいるかもしれません。確かに大人になってからの飲み会というのは人間関係を構築する上で非常に大切な場です。でも、それは甘えとしか言い様がありません。何のリスクも背負わず楽しく生きていけるほど世の中は甘くないです。

 

酒で死ぬリスクを0にすれば、反動として別のリスクが必ず現れます。タバコを止めれば心筋梗塞のリスクは下がるのかもしれませんが、ストレスによって精神病にかかるリスクが浮上するのと同じです。全てのリスクはトレードオフの関係になっています。どちらのリスクを選ぶかは自分次第です。そして、全てを避けることができない以上、他人が一気飲みについてとやかく言うのは間違っているでしょう。