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そして今日も考える。

早期退職がいいか悪いかなんて新入社員にも人事部長にもわからない

新入社員の早期退職について人事部が書いたブログが話題になっていたようですね。「新入社員 退職」でググれば出てきます。特に引用はしません。その記事についても特には触れません。

 

私を含め、新入社員は入社してもうすぐ一ヶ月が経ちます。もしかすると、すでに結構な数の人がやめているのかもしれませんね。ネットでは一週間もしないうちに「ブラック企業だから辞めた」みたいな記事をいくつか見かけました。

 

そういう人たちって、どうしても「根性なし」とか「逃げ」みたいに悪い解釈をされがちですよね。話題になったブログも、最終的には新人に対する今後の期待を感じさせつつも、一ヶ月も経たないうちにやめてしまった事自体については明確に批判しています。

 

ただ、私は短期間で物事をやめてしまう人について、純粋に凄いな、と思います。私にとっても何かを辞める、というのは難しい選択だし、おそらく誰にでもできることではないからです。

 

私もパチンコ屋に入った当時は色んな障害にぶつかったものです。もちろん、辞めたいという気持ちもありました。しかし、辞めるか辞めないかの二択を考えた時、辞めない方が得だという結論しか導けませんでした。

 

辞めることによって、確かに今の辛い気持ちからは開放されます。ただし、辞めたところで、今より良い環境になるかどうかなんてわからないわけです。

 

仮に新しい環境がその時点と同等の辛さだったとすれば、また同じような一週間、一ヶ月を過ごさなければならなくなります。ならば、今は黙って耐えていた方がいい。そんな発想になってしまう方が普通なのではないでしょうか。

 

でも、1つ落とし穴があります。変える決断をした人間は離散的に変化する、ということです。ただ1つのことをひたすら続けることしかしてこなかった人には、おそらくこの離散的な変化を理解できません。愚直な努力による変化は連続的なものだからです。(それが悪いということではありません。)

 

つまり、よく偉いさんが言っている、「すぐに退職するような奴はどこへ行っても同じことを繰り返す」というのは、この決断による心情や価値観の変化については全く考慮できていないのです。

 

別に、すぐに退職することを薦めているわけではありませんし、決断すればその分だけ良い変化がもたらされる、という保証はありません。事実、退職が癖になってしまえば、その決断に大きな意味はなくなってしまうでしょう。

 

しかし、一般論が必ずしも正解であるとも限らないのです。極端な話、一般論を振りかざす人たちの言うことを鵜呑みにして、長期間務めてきた人が40歳ごろにリストラにあって露頭に迷うリスクだって十分にあるのですから(これからは現実味が増してくるはずです)。そうなった時に、一般論を偉そうに語っていた人を責めたところで、誰も責任はとってくれません。

 

私は幸い、まだ会社を辞めたいと思うほど辛い思いはしないので、辞めないと思います。でも、辞めるほど辛いと感じて実際に辞めたのなら、ちゃんと逃げる決断をできた自分にちょっとぐらい誇りを持ってもいいと思います。結局、早期退職が良いのか悪いのかなんてその瞬間には誰にもわからないのです。