∑考=人

そして今日も考える。

映画が配信型サービスに変わらないのはなぜだろう

昨日まで、これまた一週間ほど研修を受講していました。本当にこの会社は研修好きだなーと思いつつ、まぁでもそれなりにシステム開発っぽいことを学べたので個人的には満足しています。たぶん私が配属されている現場で働いているだけでは、各々の工程間の繋がりみたいなものを理解するのは困難だったはずです。

 

研修の終わりとなると、平日にも関わらず飲み会が開催されるんですが、そんなものには目もくれず直帰しました。とは言え、区切りも良いので、憂さ晴らしに映画を見に行きました。映画館がチャリで5分のところにある特権を活かさない手はありません。

 

結局見ることにしたのは、映画の定番ジブリから、「思い出のマーニー」。シンプルでわかりやすい、心温まる物語でした。オチが少しわかりやす過ぎたかな、という感じです。ジブリの中ではあんまり人気ないみたいですが、個人的には結構好きですね。

 

そんなことはさておき。実は「思い出のマーニー」の観客は私だけでした。平日の夜の時間帯とは言え、ジブリの、しかも公開からまだ一ヶ月の映画が、これほどまでに来場者が少ない、というのは本当に驚きでしたね。

 

でも、本当は私の認識の方がおかしいんです。公開から一ヶ月もたったらもう旬なんてとっくに過ぎているんですね。私の昔の記憶では映画館はいつも満席だったのですが、今はたとえ土日でも公開から1,2週間も経てば、当日チケットを買うことも可能でしょう。

 

さぞや、年間の劇場動員数は減っているのだろうと私は思いました。しかし、調べてみると、1億5千万人ぐらいは映画を見に行っているんです。そして、10年前と比べても1000万人程度しか減少していません。自分の感覚とは異なる数値にがっかりしました。

 

納得いかないので、調べているとこんな記事を見つけました→増える公開本数、減る平均入場者数…映画館のすう勢。この記事を読むと、昔に比べて映画の公開本数が増えていることがわかります。

 

映画の公開本数が増えているにも関わらず、劇場動員数が微減しているというのが実態です。単位映画あたりで考えると、10年前に比べて半分くらい映画を見にいく人は減っている計算になります。どおりで観客が少ないと感じるわけです。

 

映画をわざわざ見に行く必要性は確実に減っています。昔よりもDVD化、テレビの再放送の期間は短くなっているし、Huluなどのサービスで手軽に見ることができる。特に本当に映画好きの人にとっては、今見ても半年後に見ても良いと感じるでしょう。

 

あるいは、映画の流行り、というものが目立たなくなってきたことも来客数を減少に導く一つの要因なのかもしれません。少し前に「アナ雪」が爆発的にヒットしましたが、基本的に映画の公開本数の増加とも関連して、ニーズの多様化が広がっているからです。

 

こうなると、もう映画もiTunesのように配信型サービスになるのも時間の問題でしょう。過去の時代であれば、一つの場所に人を集めて一気に放映する、というやり方でないと採算が取れなかったのかもしれませんが、今は多様なニーズに合わせて映像を届けることができる。映画を見るニーズ自体は普遍的に今もなお残っている。

 

最新映画がすぐに配信できるようになれば、それでハッピーに感じる人はたくさんいるのだと思うが、中々そうなる気配がないのはなぜだろうか。