∑考=人

そして今日も考える。

仕事量は自分で調整しよう

組織の中で仕事をする上で大切なことは、組織としての力を向上させることである。このような観点で考えれば、自分ができる仕事は、できるだけ他の誰でもできるような状態にすることが望ましい。

 

例えば、業務をシステム化する、というのはまさにその典型的な方法であり、システム化することによって、人が必要なくなるのだ。人件費は削減できるし、浮いた労働力で付加価値の高い仕事にチームとして取り組むことができる。組織にとってこれほど良いことはない。

 

システム化は全くもって人間の力を不要とするわけであるが、折衷案的な位置付けとして、マニュアル作成などの方法もある。特別な知識を持っていなくても最低限の質を担保することができるようにした仕組みである。特別な知識や経験がなくとも、実行可能状態にすることができれば、安い人件費で一定レベルのアウトプットを出すことができる。

 

ただし、上に述べたようなことは基本的には「会社(の中の上層部)」にとって良いことであり、一般社員にとってはそれほど望ましいことではない。理想論でしかない。世界がIT化する流れによって労働力が不要になってきているように、会社においても自分たちの仕事がなくなってしまうからだ。

 

これに真っ向から勝負する方法は属人化である。自分にしかできない仕事を増やすのである。自分自身に知識やノウハウをストックして、それを他人には漏らさない。こうすることで、自分の仕事は増えていくのである。

 

会社の中において、どういう働き方をするのがベストなのかは賛否両論あるだろう。ただ一つ言えるのは、属人化とマニュアル化をうまく駆使すれば、自分の抱える仕事量は調節可能である、ということである。

 

例えば、私がまだ入りたての頃は、よくプロジェクトに参画する協働者に対して、PCのセットアップの支援やエラー発生時の対応などを担当していたことがある。そのおかげで、当時は(今でも)PCセットアップ系のエラーはとりあえず私に聞けばわかる、と思っている人が多い。

 

ただ、彼らは毎度毎度飽きること無く、同じことを聞いてくるのである。こんなエラーがありました、どうすればいいでしょうか、と。それは以前もあったんですけどねー。どうやら自分たちで解決する気は毛頭ないらしい。

 

ここで私に取りうる選択肢は2つ、それが属人化とマニュアル化である。属人化、というか既に属人化しているわけであるが、それを続けていくのか、誰でもできる形まで落としこむのか、のどちらかである。前者を続ければ仕事は増えていく。後者をすれば仕事は減る、というわけである。

 

とは言え、それは短期的に見た話であり、むしろ組織においては後者のような行動をする人の方が評価されるし、より付加価値の高い仕事を与えられる傾向にあるように思う。まぁ自分が会社においてどうしたいか、によると思う。

 

個人的にはつまらない仕事はどんどんマニュアライズ、システマチックにして、面白い仕事は属人化していくべきかなぐらいに考えてる。残念ながら、今のところはシステマチックにしたいことがほとんどだが、そもそもそういうプロセスが好きだからシステム屋に就職したわけで、そういう意味では割と楽しくやっている。

 

仕事がないのにあるフリをしたい人は属人化する方向で勧めればいいし、仕事が多すぎる人はなるべくシステマチックにしていくといいではなかろうか。