∑考=人

そして今日も考える。

小さな問題を発見できる仕組み作り

私たちのプロジェクトは全くと言っていいほど計画通りにいかない。これが一般的なプロジェクトに当てはまる事象なのか、私たちのプロジェクト固有の問題なのかは今の私には正直判断がつかない。

 

計画通りに行かないのは想定外の出来事が起こるからである。この対策は大きくは二つしかなくて、一つは想定内の問題を増やすこと、もう一つは想定外の問題が起こっても対処できるバッファを設けることである。ただ、客観的に自分のプロジェクトを監視するに、どちらもできていない。だから、対策が後手後手に回ってしまっている。

 

破綻する計画を立てることに意味はないことは概ね全員が理解している。だからこそ、WBSで細分化されたタスクベースで計画は立てられている。そして、そのWBSは一見、実行可能なようにも見える。

 

ただ、実際のところ、個人個人が全く別のタスクを抱えていたり、そもそもWBS上に表れていないタスクが沢山あったりする。もちろん、それ自体は仕方がないことかなと個人的には思っている。あまりに細分化された計画を立てるのは必要以上に時間を費やすことになるからである。

 

とは言え、計画上に表れていないタスクについては十分にチームメンバで検討がされない可能性が高い。個人個人の頭の中では意識されているのだろうけど、いつ、誰がやるのか、を決めないまま放置されてしまうこともある。

 

そして、影響のあるマイルストンが近づいた時にその問題が顕在化する。そして、慌てて対策を立てることになったりするのである。当然、その対策検討に費やした分だけ後続のタスクは遅延することになる。問題を解決した後、ヒアリングしてみると、実はその問題については私は既に気づいていた、という人が結構存在するのである。

 

この問題を放置しておくとマズイんじゃないかなぁと思いつつもその問題を提起する人は少ない。それはなぜか。

 

例えば、計画上、1〜9のタスクがあるとする。なお、1〜3はAさん、4〜6はBさん、7〜9はCさんが担当である。1〜3を進めている途中に別タスクの存在10、11に気づいたとしよう。

 

もし、10、11が1〜3の作業に影響があるとすれば、確実にその問題は提起されることになる。10、11が4〜6のタスクに影響があるとしても、Bさんに伝える、ぐらいはされるだろう。ただし、10、11がまだ担当者未決定のタスクに関連している場合、その問題がどうなるかというと、ほぼ間違いなくAさんの頭の片隅に保存されたままになる。

 

なぜかというと、Aさんがその問題を提起すると、Aさんがその問題の対処に当たらなければなくなる可能性が高いからである。ただ、Aさんは目の前のタスクで手一杯(あるいは割り当てられた担務以外には無関心)のため、当然そんなことはしたくない。だから何も言わないのである。

 

そもそもこういった姿勢がチーム意識の欠片もないなと感じたりする反面、致し方ないとも思う。少なくとも、会社仕組みとしての観点では、個人の意識に依存してしまう働き方は良くないと思う。

 

意識レベルの低い人間が集まった会社であるという前提を踏まえるのであれば、些細な懸案であっても、チームメンバ全体で共有してた上で分担を再度決める、というルールが必要なのである。こうして小さな問題を組み上げていかないから、後になって、大きな手戻りや想定外に繋がるのである。

 

と思っていても、現状こういう仕組みがないので、こういうのはどうですか?ということを提起できずにいる今日この頃。やはり下っ端は辛い。