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そして今日も考える。

LINEで勤怠連絡はなぜいけないのか、あるいはメールで勤怠連絡をしない理由

 現代の「LINEで勤怠連絡するなんて非常識だ!」という発言は、「戦争に反対するなんて非国民だ!」とかゆわれていた時代の発言ときわめて共通しています。ってか、「非常識」という言葉を簡単に使う人間は、たいてい「非常識」と判断している理由を説明することもできないっしょ。

 

まず、勤怠連絡の手段についての是非を論じる前にそもそもなぜ勤怠連絡を会社にする必要があるのか、を定義する必要がありますね。まぁ単純に考えると、友達と会う約束をしていて、それが守れない時に連絡するのと同じような気がします。

 

要するに、相手に迷惑がかかるから、でしょ?と。でも、こう考えた方は勤怠連絡が何たるかを全く理解していません。ビジネスの現場での勤怠連絡は、相手に迷惑がかかるからごめんなさい、ではなく、本来自分が提供するはずだった労働力を提供できなくなったので、別の人間を使って代替して下さいよ、というメッセージを然るべき役割の人に伝えることが目的です。

 

そういう意味では、私のようにプロジェクト型の勤務の場合、例えば2日でこの成果物を作れ、みたいな業務を受け方をするので、1日で成果物を作ってさえいれば、次の日に無断で欠勤しても何の問題もありません。ただ、勤務形態としては毎日7.5時間働く、という契約があるので、突発的に仕事が降ってくる場合も考慮して、今抱えているタスクがなかったとしても勤怠連絡はするべきでしょう。

 

と、ここまで来て、では勤怠連絡はどのように行うべきか、という話に入ることが出来ます。前述のとおり、勤怠連絡は基本的には仕事の采配を決める人や一緒に打ち合わせなどをする予定だった人に伝えれば十分です。そして、自分が遅れる、休むことを伝えればそれで十分です。

 

休む理由も必須だろ、とツッコミを頂きそうですが、ビジネス的には休む理由なんて必要ありません。なぜなら休む理由が何であれ、労働力が使えないという点では変わりないので、組織としての対策の仕方には全く影響がないからです。ただし、急に休む場合などは相手の納得感のためにも、休む理由について言及しておいた方が良いでしょう。

 

ここまでを踏まえ、勤怠連絡の手段は何が最も良いのか。選択肢は電話、メール、LINEに絞って考えてみます。

 

初めに電話。電話は現代のマナーと言う意味ではおそらく最も良さそうだと考えられている連絡手段です。ズル休みの防止に繋がる可能性もありますし、直接声でメッセージを届けられるので誠意が伝わります。

 

ただ、今の時代電話というのは結構不便です。電話をした時に誰かが会社にいる必要がありますし、電車の中などで電話が使えない場合もあります。そして、電話のメッセージは1人にしか届けることができないので、例えば、100人の部署だったとしたら電話を受けた人が100人に伝えなければなりません。電話を受けた人に大迷惑がかかるためマナーとしても実はそれほど完璧ではないし、非常に非効率です。

 

そこで、登場したのがメールです。おそらく、メールが生まれた頃もメールで勤怠連絡をするなんて非常識だ!みたいな意見もあったと察しますが、今ではメールでの勤怠連絡は割と一般的になっているのではないかと思います。私の会社でも基本的には勤怠連絡はメールで担当のグループアドレスに一斉送信するだけです。

 

これだけでも電話に比べれば非常に効率的ですよね。でも、メールでの連絡だとメールのビジネスマナーを文面に散りばめる必要があります。「お忙しい中ご迷惑をお掛け致しますが〜」みたいな。これもLINEとかが当たり前のゆとり世代からすると、結構面倒に感じるものなんですよね。

 

だから、メールではなくLINEで連絡するんです。「先輩、今日はちょっとしんどいんで休みます」ってちょっと送ればいいので楽じゃないですか。本当にしんどい時なら尚更です。でも、これ社会から見るとNGとされます。その言い分が「LINEで勤怠連絡をするなんて非常識」というものです。これを見たゆとり世代はきっと個人メールで勤怠連絡しちゃいますよ。上の世代はそれで満足なんでしょうか。

 

メールもLINEもメッセージを一方通行に伝えるツールです。つまり、本質的には同じなので、メールはOKだけどLINEはNGというのは完全に論理破綻しています。メールとLINEの何が違うのかをちゃんと補足する必要があります。

 

一つの大きな違いは社用メールか個人メールか、です。おそらく、LINEではなくても個人メールで送られてきたら非常識だと感じる人が多いんじゃないでしょうか。電話の場合と同じく、個人メールを受けた人が再度情報を発信しなければならないからです。

 

そして、もう一つが言葉遣いです。友達とやりとりするようなカジュアルな文面で連絡することは社会では不適切だとされています。それはメールもLINEも同じはずです。なので、たとえLINEだとしても丁寧な言葉遣いであれば、問題ないのではいでしょうか。

 

例えば、部署全員のLINEグループを作成して、そこに丁寧な言葉遣いで連絡するようにすれば、今のメールでの一斉送信と何も変わりません。ここまで条件を揃えても、メールはいいけどLINEはダメだと考えている人がいれば、それは時代の変化に適応できない愚かな人間です。

 

一方で、LINEでのマナーが形式化されれば、若者はLINEを使わなくなるでしょう。結局、若者にとって会社のメールとLINEとの大きな違いは、マナーが求められるか求められないか、ですから。だって、LINEのビジネスマナーはビジネス本に書いてないし〜って感じでしょうね。

 

でもゆとり世代にゆっときたいのは、マナーの9割に意味はないけれどマナーの無い社会が訪れることはないってことです。だから楽にマナーを守る方法を見つけましょうということ。

 

例えば、勤怠連絡とか大抵の人が他の人の文面をコピペして作ってますよね。過去に他人が送ったメール探して、コピーして、自分の名前と日付だけ変えて。それの何がマナーやねんって皆思ってますけど、それでも皆がマナーを守るという異常な世界が社会というところです。

 

私なんかは書き換える作業すら面倒くさいので、実行した翌日休む旨を伝えるメールを自動で作成するvbsファイルを自作しました。(チョー簡単にできます。)ダブルクリックするだけで終わりです。LINEで連絡するよりも楽です。こうやって社会の仕組み似あわせて個人で楽する方法を考えるのも大切です。ご参考までに。