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そして今日も考える。

ダウンロード型人間ではなくインストール型人間を目指せ

ダウンロードとインストール。どちらもIT系の用語の中ではかなり一般的に使われるようになった言葉である。ただ、ダウンロードとインストールの違いってご存知だろうか。どちらもネットからデータを持ってくるようなニュアンスの意味で用いられると思うが、おそらく、多くの人は同じような意味だと思って意識的に使い分けてはいないのではないだろうか。

 

まず、ダウンロードについて考えてみよう。ダウンロードという言葉をどんな時に使うかというと、「ituneで音楽をダウンロードする」とか「Youtubeから動画をダウンロードする」のような時に使うことが多い。参考までに、Downloadの日本語訳は、「上位の端末から下位の端末へデータを転送する」という意味である。つまり、音楽や動画をダウンロードする、という表現は正しい。

 

他にも「スマホでアプリをダウンロードする」といった使い方をする人もいるかもしれない。これもあながち間違ってもいないのだが、スマホの場合は、インストールまでがセットで実施されている。実際、AndroidのPlayストアでは”ダウンロード”ではなく、”インストール”という表現がボタンなどにも用いられている。

 

一方、PC用のアプリケーションの中にはダウンロードするタイプのものもある。ただ、PC用のアプリケーションをダウンロードした場合でも、ほとんどの場合は加えてインストールを実施しなければならない。その理由はインストールが何なのかを知ることで理解できる。

 

まず、そもそもInstallの日本語訳はどういう意味なのかを調べてみると、結構いろんな意味があって、「任命する」、「落ち着かせる」、「取り付ける」などが代表的である。ソフトウェアなどをインストールする、という意味に近いのはおそらく「取り付ける」ではないかと思う。IT用語的には、「ソフトウェアを使える状態にすること」をインストールという。

 

要するに、アプリを使うためには、ダウンロードもインストールも必要なのである。インストールが具体的に何をやっているかというと様々ではあるが、概ねレジストリの値を書き換えたり、環境変数の値を設定したり、フォルダを作成したり、フォルダ内の適切な場所にプログラムを配置したり、とそんなことをしているはずだ。逆に言えば、ただダウンロードしただけではアプリケーションは動かないのである。

 

IT用語をIT用語で説明するとイマイチわかりにくい、という人は料理にでもたとえてみると良い。ダウンロードというのは食材の調達である。インストールとは調理だ。ダウンロードしてインストールするから、すぐに食べられる状態になる。この、”すぐに食べられる状態”というのが、いつでもアプリを起動できる状態と同じようなものである。

 

また別の例としては、受験とか仕事でも同じことが言える。すごくたくさん勉強しているのに、イマイチ成績が上がらない人とか、沢山仕事量をこなしているんだけどイマイチ成果がでない人はいわゆる”ダウンロード”しかできていないダウンロード型人間が多い。

 

せっかく手に入れた知識がバラバラのままだからいざ活用しようとしてもできないのである。そうではなく、学んだことはインストールする必要がある。整理して、体系化して、活用できる状態にする。これができるインストール型人間を目指そう。