∑考=人 〜プロメテウス〜

そして今日も考える。

学生と社会人のグループディスカッションの大きな壁

またまた就活の時期ですね。なんか就活の時期が毎年変わってるような。うちの会社も絶賛面接中ですね。課長が面接官にお呼ばれしているらしいです。いろんなところから面接官を引っ張ってきてるんでしょうが、人を見る目あるのかね。

 

まぁそんなことは良いとして、最近は選考の中にグループディスカッションを取り入れている会社も増えてきていると思います。結局、仕事ってチームでやるものがほとんどだし、集団の中での自己主張ができないとダメ、という印象でしょうか。

 

我々の会社も推薦入学という裏口ルート以外で入った大多数の人は必ずグループディスカッションの壁を超えています。つまり、比較的グループディスカッションが上手い人間が採用されている、と言えるでしょう。まぁ私は裏口ルートですが。

 

ただ、そんな私から見ても、本当にグループディスカッション上手いなと思う人は数えるほどで、割合で言うと10人に1人くらいですね。これはどう考えてもおかしい。そう思うんですけど、どうですかね。うちの会議(グルディス)はすごいですよ、と誇り持って言える会社ってありますか。

 

ほとんどないんじゃないでしょうか。面接に行ってきた課長は、私たち社会人よりも学生のグループディスカッションの方が上手かった、と半ば冗談混じりで言っていました。だから今年の学生は優秀だとも。

 

でも課長の認識は誤っています。私が思ったのは、今年の学生が優秀なのではなく、学生の時に優秀だった人が会社に入ってから優秀ではなくなっているのでは、ということです。ことのほかグループディスカッションについてはそうだと確信しました。あるいは、会社におけるグループディスカッションの方が難易度が高い、とも言えるかもしれません。

 

実は就活時のグループディスカッションって割と進めやすいんです。理由は三つあります

①ディスカッションに参加するメンバ全員にモチベーションがある。

②導出した結論自体の良し悪しは判断基準に含まれない。

③知らない人かつ今後も顔を合わせない人同士で実施する。

 

順番に見ていきましょう。まず、①は当然で、会社に入りたいから選考に進んでいるわけであり、選考に受かるためには積極的な姿勢で臨まざるをえません。なので、全員が発言をしよう、ファシリテーションをしよう、といきり立っているわけです。

 

しかし、会社は違います。そもそも意欲的に発言をしようとする人も少ないですし、そういう人が会議を構成していると、他の人まで発言しにくくなります。そんな状況の中で柁をとったり、意見を述べるのは心理的ハードルが上がります。

 

次に②です。よく、巷の面接本にも書かれている通り、グループディスカッション選考で見られるのは、画期的な答えや実現可能性の高い答えを導き出せるかではなく、グループディスカッションの中でどのように立ち振る舞うか、です。

 

でも、これも社会では違います。ぶっちゃけどんな結論にたどり着いたかが全てです。間違った結果になってしまったグループディスカッションはやはり間違いなのです。つまり結論に対しては慎重になります。

 

慎重になるということは、意見の対立が起こりやすいということです。学生のグループディスカッションとは違って、「いい時間だからそろそろ結論を出した方が良いな」と全員が同時に考えることはまずありません。(もちろん、だからと言って闇雲に延長するのも愚の骨頂なので、本来は別の場で改めて議論します。)よって、うまく意見がまとまらなかったりもします。

 

最後は③です。これが最も大きな原因だと私は考えています。

 

ちょっと視点を変えて、一番ディスカッションをしやすい間柄が何かを考えてみましょう。私なら、気の知れた友人、特に知的レベルが同程度の人が良いと思います。気の知れた友人であれば、相手がこういう時にどういう反応をしてくれるとか、こういう話題を振ればいいとか、そういうことがわかるから議論を進めやすいからです。

 

ただ、人によっては、友人とはディスカッションをしたくない、という人もいるかもしれません。あまりに本音でぶつかりすぎると、下手したら今後の人間関係に影響を及ぼすこともあるからです。

 

逆に考えると、今後の人間関係が必要のない間柄ならどうでしょう。何を発言して、何を思われても、今後に何の悪影響もない。何の遠慮もなく本音で話すことができます。「こいつ何仕切ってんだ?」とか「こいつバカなこと言ってんなー」とか思われても何の問題もなければその分心理的なハードルは下がると思いませんか。

 

そして、会社の人間関係というのが一番厄介です。なぜなら、相手のことも本質的にはよくわかっていない人たちであり、かつ今度もしばらくは一緒に仕事をしていかなければならないからです。一番議論をしにくい間柄なのです。

 

かつ、日本の場合は年功序列というシステムに支配されています。年次が上とか役職が上の人の意見が正しいという暗黙の了解があって、そこに対して争う文化がないのです。つまり、これも就活とは違って、対等な、フラットな関係でものが言いにくいのです。

 

結構グループディスカッションに自信を持って会社に入ってくる学生はいますが、会社に入ってみると、正直自分とあまり大差ないなと思うようになりました。グループディスカッションごっこが上手いことを誇りに思うのは少し馬鹿げているし、グループディスカッションごっこで評価されないからと言って凹む必要もないのかな、と思います。