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∑考=人 〜プロメテウス〜

そして今日も考える。

「作る」と「売る」の壁

自作のアプリを開発して、1ヶ月が経った。気になるダウンロード数であるが、漸く二桁に突入、といったところである。アクティブユーザはその半分ぐらいしかいない。わかってはいたが、「売る」というのは相当に難しい行為である。

 

とりあえず宣伝。

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まず、第一の壁は「認知」である。既にAndroidには100万以上のアプリが存在するが、この中に一つのアプリが追加されたからと言って、誰が気づくのだろうか。検索でヒットするところまでが遠い。

 

特に、個人や無名の会社ではプロモーションの手段がない。例えば、各種メディアで取り上げられれば認知度は上がるが、お金もかかる。一応アプリを公開して少し経つと、アプリ紹介会社のページに掲載されたりはするんだけど、ほぼ全ての新着アプリを紹介しているから他との差別化にはならない。

 

直接Gmailを送ってくる海外の会社とかもあって、たぶん有料プランに入れば優遇して紹介しますよ的なことを英語で提案してきたりはするので、結局良いプロモーションをするにはお金が必要ってことらしい。

 

本ブログがもう少しメディアとして機能するものであれば良かったが、到底そんなレベルではない。なので、タダでできる事というと、ASOぐらいの方法論に落ち着く。アプリストアには検索エンジンでのSEOならぬ、ASOという考え方がある。なるべく、アプリを上位に表示させるためのテクニックだと思ってもらえればいい。最も簡単な例としては、検索されやすいワードを説明やタイトルの中に含める、といったものだ。

 

しかし、もちろんこれも単純ではない。検索されやすいワード、というのは多くのアプリに含まれており、レッドオーシャン状態なのだ。結局ASOの効果を生みにくい。だから、私は「WBS」というキーワードで押している。そもそものコンセプトがWBSであったし、プロジェクト型の仕事をしている人ならば、そのワードで検索する可能性は十分にあると考えたからだ。

 

実際、「ToDo」や「タスク管理」などで検索しても、私のアプリは検索結果に表示すらされないが、「WBS」で検索すれば、上から数えて6番目ぐらいには表示される。実際インストールした人が存在しているのは、このブルーオーシャン戦略の功績ではないだろうか。ただ、どのくらいの数の人が検索しているのかがわからないので確かなことは言えない。

 

次は、認知の先、「インストール」の壁である。今時点で、少なくとも、私のアプリのページにたどり着いた人は70人程度存在する。(これはGoogle Play Developer Consoleという、アプリを公開するために使う管理ページから確認できる。)ただ、インストールまで至っているのは、たった10人ちょっとなのだ。しかも全世界で。

 

これには様々な仮説が立てられる。

  1. イメージしていたものと違った。ワールドビジネスサテライトWBS)のアプリを求めていた、とか。
  2. 画像のサンプルが日本語だった。海外の人が見つけたが、日本語だったので断念した、など。
  3. 「〇〇万ダウンロード」みたいな表示がなく、使う気を削がれた。
  4. 機能が不十分だと感じた。
  5. 使い方がわからなかった。

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キリがない。ただ、個人的には無料なんだからとりあえずインストールしてみては?と思ってしまうのだけど、このあたりは庶民の感覚とずれているのだろうか。信頼できないアプリを入れてスマホがバグるのを恐れているとか、そもそもよくわからないものはインストールしたくない、みたいな考え方があるのかもしれない。UAI指数の高い日本人にはありそうな話ではある。このあたりは分析のためのデータが少なくて検討が難しい。

 

インストールしてもらった後も、まだまだ壁はある。次の壁は、「継続利用」の壁だ。たとえインストールされても、使ってもらえなければ意味はない。最悪の場合、アンインストールされる。冒頭で述べた「アクティブユーザが半分しかいない」というのは半分ぐらいが既にアンインストールしてしまったという意味である。

 

ただ、この原因については大方予想はついている。実は開発したアプリがインストールやアンインストールされると、そのアカウントの国籍や、Androidバージョンなどの情報が開発者にはわかるようになっている。その結果によると、面白いことにアンインストールしたのは全て海外の人であった。

 

私のアプリは日本人以外が閲覧すると、タイトルや説明文は全て英語で表記されるようになっている。グローバリゼーションへの対応はASOの基本でもある。しかし、肝心のアプリ本体は全て日本語での表記となっている。

 

なるべく、言語要素を無くした設計にしたが、それでも知らない言語が出てくると、使いたくなくなってしまうのだろう。よく、中国のアプリとかで、説明はギリ日本語なのでとりあえずインストールしてみたが、中身は全て中国語だと気づいた瞬間に私がアンインストールするのときっと同じだ。ただ、このあたりは対策の余地が残っている気がする。

 

ここまででもかなりやる気が失せてしまうが、最後の「課金」の壁が残っている。ちなみに私のアプリは現時点では課金の仕組みそのものがない。「売る」ことを全く視野に入れていないのだ。だから、なぜ課金してもらえないかを考えるための材料すらないし、「売る」ために必要な基盤さえ揃っていない。ただ、壁としては存在している、その点についてだけここでは言及しておく。

 

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営業をやっている方には失礼なのだろうけど、会社、特に大きい会社において、営業というのはそれほど難しくはないと私は思っている。もちろん、会社が大きくなるまでにはとてつもなく大変だった過程はあっただろう。しかし、既に大きくなった会社の営業は、本当に0からモノやサービスを売るまでに必要となるはずの障壁のほとんどは既にクリアされている前提から戦うことができる。

 

自分たちを認知してくれるユーザが存在し、商品を宣伝するための広告チャネルも存在している。開発部門が優秀なら尚よしだ。ただ、それですら営業という仕事の方が、開発よりも難しいと個人的には思う。

 

モノを作るのは、数学によく似ている。全ての数学の問題はあらゆる定義の組み合わせで解ける。モノやシステムを作ることが問題だとすれば、あとはどういう技術(定義)を組み合わせて実現するか、それだけの話である。もちろん、方法論はたった一つではない。ただし、それぞれのやり方は類似しているし、合理的に考えれば、自ずと良い選択肢は定まってくる。

 

ただ、モノを売るという問題の方法論は全く異なる。例えば、収益を上げる上で、市場規模の大きいマーケットを狙うべき、という考え方に対し、ニッチな市場向けのビジネスを展開するべき、という相反する解がありうる。さらに、それらの選択肢は合理性だけでは選択できない。

 

改善の方法も無限だ。今回のアプリ開発で、壁がたくさんああって、それらの原因も多種多用であることはわかった。しかも、それらへの対策がどう影響を及ぼすのか、ということは数字などのデータでしか見ることができない。ひたすら仮説と検証の繰り返しである。具体的な答えは得られないし、そもそも具体的な答えなどないのだ。だから私は売ることに対し積極的になれないのだと思う。

 

強いて良い点を上げるなら、答えがないからこそ自分のやりたいようにできる、ということぐらいだろうか。