IT業界には横文字が蔓延っている。日本語で言えよ、てなるけど、みんなが当たり前に使っているのを日々聞いていると、いつのまにか自分も普通に使うようになる。でも、こういう言葉ってだいたい雰囲気で使われてるし、雰囲気で使ってしまいがち。
例えば、ITビジネスの中で「ソリューション」という言葉がしばしば使われる。直訳すれば解決策なので、なんとなく問題を解決するための方法、ぐらいのことは誰だってわかるとは思う。
じゃあソリューションビジネスとは何なのか。さっきの延長で考えれば、「解決策をお客さんに提案することで利益を得る仕事」のことだろう。もちろん、それはそれで間違ってはいないと思う。ただこれは、「カラスとは何ですか?」と聞かれて、「生き物です。」と答えているようなものだ。
例えば、ソリューションビジネスというものをもう少し具体的にイメージしてみる。例えば、お客さんが自分たちの商品を全世界に向けて販売したいと思っているけど、そういった物流ルートの確保が難しい、という状況だとする。
この場合の、解決策、ITソリューションの一つはオンラインショッピングサイトの構築ということになる。あー確かにーなるほどーと思うかもしれないが、これは単なるSI、システム開発である。
あるいは、お客さんが会計業務を効率化したいと考えているけど、どうしたらよいかわからない場合、一つのITソリューションは会計ソフトの販売である。でもこれはこれで単なるソフトウェアパッケージの販売とも言える。
以上を踏まえると、ソリューションというのはSIとかソフトウェアパッケージとかそういうものをもろもろ包含するビジネスのことを指しているのだろう。概念の関係としてはソリューション>SI>ソフトウェアパッケージだ。
教育などに喩えて考えてみるとわかりやすいかもしれない。
学力を上げたい人のために教科書を販売するのがソフトウェアパッケージ販売。活用の仕方とかは使う人次第、効果を大きくさせるかどうかも本人次第である。ユーザが目的達成のために活用することができるものを販売している。よって、他に必要なものもあり、それらを別で揃える必要があることも多い。
教科書・問題集・ノート・シャーペンなどを組み合わせたり、オリジナルの参考資料とかを作ってセット販売を行うのがSI。ユーザが活用方法を考える必要はほとんどなく、カスタマイズの余地もほとんどない。下手にカスタマイズすると効果が下がる可能性すらある。
そして、教材から効果の高い教育カリキュラムまでを提供するのがソリューション。効果の高い教材の活用方法を教えたりするところにSIやパッケージ販売にはなかった価値があるのだと思う。
ちゃんと知っている人がいたら教えて欲しい。