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そして今日も考える。

「勉強」に逃げるのはもったいない

そういえば、先日、大学院の後輩から飲みに誘われまして。3年ぶり?ぐらいに再会したんですが、会ってみると、平日にも関わらず短パン姿の後輩がそこにはいました。はて、ベンチャー企業にでも転職したのか?と思いきや、会社を辞めたとのことで。何でも医学部の再受験を目指しているらしいのです。

 

私は今の環境から飛び出す、という選択ができる人は素直に凄いな、と思っています。飛び出すことを「逃げ」だと考える人も多いですけど、本当は逃げ出す勇気のない人たちからの嫉妬、負け犬の遠吠えでしかないです。飛び出す方がはるかにリスキーだし苦しいし面倒くさい。だからそういう選択をした人を応援したいな、とも思っています。

 

ただ一方で、本当に「逃げ」と思える選択があるのも事実で、その最たる選択肢が「勉強」だと私は考えているんです。ん?目標に向かって勉強するのはいいことなのでは?と思われる方もいるかもしれませんね。でも、そういう考え方をする人が多いことが、勉強が逃げに思える理由の一つでさえあります。

 

勉強が逃げに思える理由は4つあります。1つ目は、「社会から降りる」あるいは「社会に入るのが遅れる」からです。つまり、価値創出を一時的に断念するという意味で、社会からの逃げを意味するところがあります。

 

別に、一時的に社会から逃げたっていいじゃないか。そう思う人もいるでしょう。私もいいと思います。社会から一定期間距離を置きたいとか、純粋にまた勉強やりたくなったから、という理由で学校に通ったりするのは、人生の選択としてアリですし、それが正しい。

 

しかし、高い目標を設定し、そのために勉強が必要だから勉強する、というスタンスで勉強することを選ぶのであれば、少し考え直しても良いと思うのです。例えば、職業の特性上、絶対に資格が必要で、その資格を取得するためには勉強しなければならないのであれば、その勉強は必要なものです。(上記の後輩の例もそれにあたります。)

 

ただ、そもそもその職業でなければならないのか、は考えるべきだし、もし資格とかが要らないのであれば、そもそも今勉強する必要があるのかは考えた方がいいでしょう。例えば、システムエンジニアになるから応用情報処理の資格が必要とかプログラミングスキルが必要、みたいなことはないですし、仕事をしている中で徐々に身につけていけばいいのです。

 

つまり、勉強に専念する、ではなく、仕事の中で勉強する、という形にできることが最良です。

 

2つ目の理由は、上述の通り、勉強は無条件に良いことだ、みたいな一般的な風潮があって、目標を設定して勉強している様は一般的に立派に映ってしまう、ということですね。こういった風潮は、大義名分を立てやすいこともあり、「勉強していること」自体に慢心してしまいやすい、ということです。もちろん、周りが皆社会人くらいの年齢であれば、劣等感も感じずにはいられないと思いますが、目標を高く設定することによってある程度緩和できてしまうのです。

 

3つ目の理由は、シンプルです。実は、「勉強するのは簡単」、ということ。たぶんほとんどの人は勉強が嫌いで、勉強するって難しいと考えていると思うんです。でも、一部の、それなりに勉強ができる人からすると、「勉強する」ってのはひじょーーに楽な方法なんです。

 

勉強がなぜ簡単なのか。それは、努力するだけで結果が出るから、です。勉強とは訓練みたいなものです。すなわちいかに反復練習するか、が大事なんですね。もちろん、生まれながらの記憶力とか、幼少期の勉強経験などによる伸び方に差はありますよ。しかし、基本的にはたくさんやれば必ず一定以上の効果が出るので、効率的に達成感を感じることができます。

 

ここで問題なのが、勉強で感じる達成感と目的に対する成長の大きさは比例しない、ということです。つまり、勉強で多くの知識や方法論を覚えたからといって、目的に大きく近づけるわけではない、というわけです。

 

なんでそうなるかというと、一つは抽象的な理論と具体的な実学には大きな乖離があるためです。そして、実学と理論を繋ぐためのプロセスを考えたり、そもそも理論をカスタマイズしたりと、ケースバイケースで新しいことを考えなければならないからなんですね。

 

で、それを調べたり、考えたり、人に聞いたりして構築していくのが価値創出に繋がる学びで、だからこそもっとも価値があります。また、実学から入ると、必要な理論というのは比較的絞られてくるので、ちょこっと勉強して習得しやすい上に実学から繋げるところとセットで考えているので、使える理論になっていることが多いものです。

 

少し前に私も初めてマーケティングをやったんですけど、その時に、STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)とか4P分析とか基本的な知識は一通り勉強できました。ちゃんとマーケティング理論なんて学んだことはないですけど、次にマーケティングをやれと言われれば何となくは進めることができる、ぐらいにはなっています。

 

プログラミングとかも全く同じですね。Androidアプリのプログラミングの構文勉強するぐらいなら、具体的に作りたいものをイメージして、それを作るために必要な構文を順次取得していく方が結果的に効率よく使えるスキルを身につけることができる。で、一回できてしまうと、別にスキルなんてもってなくても作れるな、っていう感覚になる。これが意外と大事。

 

そして、最後の理由。

 

勉強って楽だけどつまんなくないですか?

 

私は割と勉強するの好きでしたけど、社会人になってから、勉強って結構つまんないなーって気づくんですよね。特に遠い目的のための漠然とした勉強がつまんなくて。日々の業務に役に立たない勉強って本当につまらないんですよ。

 

だから勉強だけに専念する、っていうのは今の自分には正直考えられないんですね。それよりはなんかよくわかんないことを考えた方が純粋に面白いな、と思って。

 

なので、社会人は「勉強」に逃げるのはもったいないなって思うんです。それでも、どうしても勉強したいのであれば、具体的な課題・価値創出に繋がるものをちゃんと考えてみて、それを考える過程で勉強しましょう。それが一番おすすめ。