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そして今日も考える。

ドキドキ、ワクワク的な感情

大人になると緊張することが少なくなっていく、という。緊張の原因はある種の怖さであり、人間は一般的に未知のことに対して恐怖を感じる習性がある。だから、知らないことが多い子供の頃は緊張するけれど、大人になって色んな経験を積むと緊張しなくなる、という論理である。

 

けれども、これは真実とは少し違うと私は思っていて。なぜなら、私自身「まったく緊張しない」という体になりそうにもないからだ。社会人になって随分と慣れたけれども今だにキックオフのプレゼンやお客さん先の説明は緊張するし、他にも初対面の人と話したり、もっと言えば久しぶりに会う友人と会話するのだって少なからず緊張する。

 

一方で、確かに緊張することは減ったともと思う。でもそれは経験値が増えたから、というよりは、「緊張するようなことはやらない」という選択をする癖がついてしまうせいじゃないかと思っている。

 

子供の頃というのは無意識の中で、自分が何か困ったことに直面しても誰かが助けてくれるし何とかなるだろうという感覚があるものだ。それはつまり、「自分でコントロールしきれないこと」に対する恐怖をあまり抱かずに済む、ということでもある。なので、純粋にドキドキワクワクの部分だけを感じることができる。そこに相反するマイナスの感情を意識することは少ない。 

 

しかし、大人になるとそうもいかない。大人とは自立した存在のことであり、それは自分で自分をコントロールしなければならないということだからだ。すると、途端に自分自身をコントロールしきれないことが怖くなる。先のリスクを考える。メリットデメリット、損得を考えるようになる。そして未知性を除外しがちになる。

 

そういった思考がドキドキワクワクをないがしろにしてしまう。ドキドキワクワクを感じたいという大人は沢山いるけれども、ドキドキワクワクとはある種の未知性の中に飛び込むことでしか得られない。が、そういった未知性の中に飛び込む、という勇気を持たねばならない。