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そして今日も考える。

プリクラの何が面白いのか?

プリクラが生まれたのは1995年。比較的新しく、今でもゲームセンターには必ず置いています。昔はよく撮ったものですが、この歳になってプリクラを撮りに行こうというノリにはまずなりません。ただ、女性は20代後半になってもプリクラを撮ってフェイスブックに投稿する人も少なくないようです。彼女たちが一体何歳まで撮り続けるのか楽しみでもあります。

 

それにしても、冷静に考えてみると、あのゲーム(?)はどこに面白さがあったんでしょうね。個人的にはプリクラを面白いという感覚でとった記憶はありません。ただ、なぜか周りには撮りたがる人がたくさんいたからそのノリで、という感じでした。しかし、ブームになったくらいなので、面白い部分はあるということです。

 

まず一つは記念に残るということでしょうか。男同士にしろ、女同士にしろその日みんなで遊んだという事実を写真という形で残せるのは大きな魅力になっていると思います。恋人同士が「何か月記念」みたいなことを書くのはもはや定番になっています。現代は、携帯電話に写真が標準装備されているくらいなので、やはり写真に思い出を残したいと考える人は多いはずです。

 

しかしそれだけだと、証明写真でもいいことになってしまいます。やはりスタンプや落書きなどによるエンターテイメント性も大きく貢献しているのでしょう。顔のパーツをやたらと小さくして、全員を変顔にするプリクラが、中学の頃男の中だけでちょっとしたブームになったこともあります。

 

でも、圧倒的に支持されているのは女性からなんですね。イケイケの女の子は「プリクラ帳」みたいなものを必ず持っていて、それを色んな人と交換したりするんです。プリクラ帳を持っていることが女としての学内での地位を表すかのようであり、それを持っていないとイケてないと思われるんじゃないか、みたいな空気もあったのでしょう。明らかにプリクラとか撮らなさそうな子がプリクラ帳を三冊ぐらい持っていて、女の子も大変だなーと思ったことがあります。

 

で、この女の子から圧倒的に支持される理由になっているのが、ズバリ自己顕示欲です。プリクラは内なるナルシスト性を満たすことができるのです。それを見抜いているからこそ、プリクラは年々、目に自動的に補正がかかったりして実物以上に可愛く移る機種が増えています。

 

女の子たちはみんな、あのプリクラ詐欺だよねー、みたいなことを言いつつも、プリクラを撮り続けるし、ちゃっかりフェイスブックにアップしたりします。結局、偽りの姿だとわかっていても、可愛く撮れた自分の写真を自分でみたり人に見せたりするのが楽しいのです。もちろん、プリクラを撮る男性にも少なからずそういう気持ちはあると思います。ただ、男同士では笑いに走ってしまう傾向の方が強いですが。

 

先ほども言ったように、若い頃は、プリクラを撮らなくちゃいけないような強迫観念が女性にはあると思います。そのため、本当は撮りたくないのに、撮っている人も決して少なくないんじゃないでしょうか。よって、若い頃にプリクラを撮っている人がみんなナルシストだとは言いません。

 

ただ、盛りは過ぎているのに、いつも同じようなメンバーで、いつも同じような決め顔でプリクラを撮る女性たち。もはや習慣化されたプリクラに記念としての効力や、エンターテイメント性が含まれているとは思えません。なら、彼女たちが何を求めてプリクラを撮るのかというと、自己顕示欲、ナルチシズムを満たすためです。