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そして今日も考える。

自分にあった目標とモチベーションのメカニズムを認識する

目標には二種類のタイプがあるという。一つは学習目標、もう一つは遂行目標である。そして、どちらの目標を立てるかによって人間のタイプも分類できるらしい。

 

前者の学習目標を立てる人は、学習によって自分の能力を高めることそのものを目標にするタイプであり、後者の遂行目標を立てる人は、自分の能力を高めることによって何かを達成することを目標にするタイプのことだ。例えば、受験勉強をする時に、「〇〇大学に合格すること」を目標にしたなら後者、勉強すること自体を目標にしたなら前者である。

 

受験勉強において、勉強自体を目的にする奴なんているのか?と思われるかもしれないが、あながちそうでもない。何の目的も持たずに(実際はあったのかもしれないが)高校1年生のころから勉強をしている人も少なからずいたのだ。

 

また、部活動などであれば、学習目標を立てる人も珍しくないように思う。私なんかも特に大会で優勝したいといった目標は一切なかったのだが、それでもバスケット自体を上手くなることを目標にしていた。

 

それでも、一般的な目標とは遂行目標を指すことが多いし、遂行目標であるべきだという思想すら社会においては窺える。(単なる学習目標では目標として上手く機能しないことが多いからだ。)どちらにせよ、目標というものが日々の行動の原動力、モチベーションとなることを我々は体験的に知っていると思う。

 

目標とモチベーションに関して言えば、上に挙げた学習目標と遂行目標の関係は内発的動機と外発的動機によく似ている

 

学習目標をモチベーションに出来る人はその学習行為自体に楽しみを覚えている可能性がが高く、遂行目標をモチベーションとする人はその学習によって手に入るメリットに大きな魅力を感じているのだ。仕事の現場で学習目標を立てることが嫌われるのは、残念なことに仕事自体に楽しみを感じる人が少ないからであることを裏付けている。

 

しかしながら、そもそも最高のモチベーションを発揮するためにはどっちも必要である。今までの人生を振り返っても、良い成果を出せる時というのは必ず、学習目標と遂行目標がセットで存在していた。しかもそれは言葉で無理矢理定義したもの、というよりは、自分の中で暗黙的に決まっているものであったと思う。そして、何より、学習目標と遂行目標が二つ存在するとき、人生は楽しいものになる。

 

個人的には遂行目標がトリガーとして重要、学習目標は継続のために必要になると考えている。例えば、私は数学が好きだと公言しているが、普段の生活で数学をただ勉強することはない。プログラムを作ることも同じで、いきなりプログラムを書いたりすることはない。

 

ただし、ここに遂行目標が加わると話は変わってくる。「受験に合格する」ことが遂行目標として定義されれば、数学を勉強をひたすらできるし、「〇〇プログラムを作る」ということが遂行目標として定義されれば、ひたすらプログラムを書くことができる。もちろん、割ける稼働があればの話ではあるが。

 

そういうわけで、仕事においても、遂行目標と学習目標を押さえておけば、それなりに毎日は面白くなるんじゃないのかなと思う。高いモチベーションを発揮できるメカニズムは万人共通ではないのかもしれないけど、少なくとも自分はどうなのか、ぐらいは把握しておいた方が良いだろう。