∑考=人

そして今日も考える。

残業時間との死闘

私は今残業時間と闘っています。

 

残業時間の限度というのは、かの有名なサブロク協定によって定められています。基本的には1週間で15時間、1年間では360時間と定義されているのはみなさんもご存知のはずです。

 

ちなみに現時点で、昨年4月からの私の残業時間はというと、570時間です。ん?超えちゃってない?はい。はっきりいって余裕で超えちゃってます。

 

ただ、これは法律に違反しているわけではないんですね。36協定には、正式に労働組合に申請・協議することで残業時間限度を引き上げることができるんです。といっても、無尽蔵に制限を外せるわけではなく、私の会社の場合は640時間までと定められています。

 

もちろん、会社の中にはこういった手順を踏まずに不当な残業をしている会社(いわゆるブラック企業)もあると思いますが、うちの会社は違います。とは言え、憶測で物を言えば、結局この残業時間内に収められない分については、やはりサービス残業などで企てられているのだと思います。

 

なので、私も3月頃にはギリギリの闘いになってくるので、どうやらサービス精神が求められる可能性は高いと考えています。

 

まぁどちらにせよ、年間640時間もの残業が発生している(しかも組織全体として)のは、どう考えてもおかしいじゃありませんか。ということで、冷静にこの1年を振り返ってみて、なぜ残業時間が多いのかを徹底的に考えてみたいと思います。

 

残業時間とは、大きく分類すれば、①定時までに完了させることのできなかった仕事をする時間②想定外の問題の対処に要する時間で成り立っています。逆に言えば、定時までに仕事を完了させ、想定外の問題が発生しなければ、残業時間は0であると言えるでしょう。

 

まず、①について、定時までに仕事を完了させられないのはなぜなのでしょうか。よく言われる、「残業が多いのは生産性が低いからだ」という主張はもちろん、一つの理由です。ただし、それは一つの側面しか捉えられていません。

 

数式で表せば単純な話ですが、残業時間というのは、業務量÷生産性-定時までの勤務時間で求まります。よって、生産性が低い以外にも業務量が多いという可能性があります。そして職種にもよるでしょうが、日本の会社、特にホワイトカラーについてはその傾向が強いと言えるでしょう。

 

ここで注目すべきは、業務量が多い、という点です。なぜ業務量が多いんでしょうか。端的に言えば、計画のフィジビリティが圧倒的に欠けているんですね。

 

例えば、システム開発プロジェクトで言えば、システムを構築してお客さんに納品するのが成果であり仕事です。すると、そのシステムを作成するためには他にどんな成果物を作らなければいけないか、どんな検討をしないといけないか、そしてそれをやるにはどのくらいの時間がかかるかを精査した上で計画を立てなければなりません。当然その中には、想定外の問題が発生するリスクも加味してバッファ、安全率などを設けるのが普通です。

 

そういった数値を踏まえ、1人の稼働を7.5時間と考えた時に、何人でやれば良いかを考えるわけです。ただ、計画段階から業務の量が見えていることはほとんどない上、こちらの想定スケジュールがお客さんの都合上受け入れられないこともあります。その場合に交渉決裂、となれば良いのですが、それでは、仕事が回りません。(日本は信頼関係・癒着の文化なので)

 

結局、計画段階から無理難題なスケジュールと要員計画を基に仕事を進めることになるので、当然残業が発生するのです。工夫次第で何とかなる、と考える人もいますが、工夫をするためには別途稼働もかかるので、当然残業時間はなくならないのです。

 

残業時間を減らすために、よく優先度付けの話を引き合いに出す方もいますが、そもそも優先度付けというのは相対的に決まる話であって、仕事をする上では、これだけのことはいつまでにやらなければならない、ということが決まっています。優先度が低いことを全部やらなくても良い、という結論には至るなら話は別ですが、せいぜいタイミングを遅らせることができるだけなので、慢性的に業務量が多い場合には何の対策にもなりません。

 

我々がやらなければならないのは、無駄なプロセスや成果物を完全に排除することであり、排除するための新しい仕組み作りなのだろうと思います。例えば、私の会社では打ち合わせが凄く多いです。もちろん、重大なものもありますが、意味のわからない打ち合わせもあります。

 

ただ、なんだかんだ言っても対面の打ち合わせには何かしらの意味や目的があるので、その意味や目的を崩さず、かつ時間のかからない進め方を検討しなければならないと思います。ただし、こういったことを検討するにも別途時間はかかってしまうわけで、あーもうとにかく時間が足りなすぎるって常々思っちゃいますね。