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そして今日も考える。

若者が選挙に行かない本当の理由、それぞれの問題

■若者が投票に行かない時代

若者の投票率が低い。かれこれ10年ぐらい言われている言葉だ。数値にして約3分の1。これが今の投票率である。でも、本当のところ、これは私が思っているよりもずっと高い数値だ。同世代を見ていても、10人に一人ぐらいしか行ってないのでは?と思う。ちなみに私も”ちゃんと”投票したことはない。

■一般的に語られる投票数低迷の原因

若者の投票数が少ない理由は、ネットを探せばいくらでも出てくるが、だいたい下記の3つに分類される。

  • 政治に関心がない
  • 投票しても何も変わらない
  • 忙しい

でも、これは浅はかな分析である。じゃあ若者が政治に興味を持つように呼びかけよう!とか、「あなたの一票が政界を変えます!」と訴えるとか、忙しい人のための期日前投票を用意したって何も変わらない。たとえ家でダラダラするとしてもその時間の方が大事なのだ。

■根本にある3つの理由

・政治に対する無知

全ての根本原因は若者が政治のことを何も知らないまま大人になることにある。政治のことを何も知らないから無関心なままだし、政治のことを何も知らないから投票に行くモチベーションがない。またサトリ世代とも呼ばれる私たちは、自分の投じる一票の価値の低さを十分過ぎるほど把握している。

・今の生活への満足感

政治についてわからないなら学ぶしか無いわけだが、とっくに義務教育は終わっているので自主的に学ぶしかない。ただ、「政治」という分野はかなり広範囲に渡るし、覚醒等が主張する正当性を評価するためには近年代の歴史や世界情勢のこともそれなりに理解する必要がある。要するにちゃんとやると結構大変なのだ。

 

そして何より、政治のことを何も知らないままでいることのヤバさをあまり感じていない。例えば、はるか昔の20代(今の60代とか70代の人)は昔から投票率が高い。結局、これは戦争など自分の命が国の選択に関わってくることをビビットにイメージできたからだろう。

 

日本以外の外国でも投票率が高いのは、投票に行かないと罰金が発生するなど、半ば義務的に強いられているところが多い、というのも「投票に行かないとヤバい」という心理が有効に働いている結果であり、日本の過去世代と同じだと思われる。

・意思決定能力の欠如

まず、理由を語る前に、投票の本質は意思決定であることを述べておきたい。投票に行ってる人が投票に行かない人をディスる場面があるが、意思決定としての投票をしていない人間は投票をしていないのと同じである。

 

例えば、「友人や親に勧められたから」とか「テレビで〇〇党優勢」だったから、とか「ネットで〇〇党が良いって書いてあったから」とかそんな理由で投票に言っている時点で終わりである。そもそも、優勢の党に改めて投票に行く意味はそれこそない。投票の意味は自分の意志を表明できるところにあるのだ。

 

でも、私たちネット世代は意思決定が非常に苦手である。なぜなら、ほとんどの問題の答えが簡単に手に入る時代に育ち、自分の頭で考える訓練を受けていないからだ。★の数とランキングでしか良し悪しを決められないから、結局自分の意志を票に宿すことができない。だから投票に行かないし、たとえいったとしても大きな意味を持たない。ある意味、今の若者にとっては、「みんな投票しない」から投票しないことが事実上の正解になっているのかもしれない。

■仕組みとしての問題
・政治を教育で教えない

今の日本教育で政治を習うのは中学校が最後である。理系ならその後は一生学ばなくても何の問題もない。また、中学校で教わる政治は単純に投票の仕組みとか議員数などルールや決まりの話ばかりで、今の政党の話や政策についての話は一切出てこない。そもそも近代社会のテーマを取り扱うことがほとんどない。

 

今の知識を得て未来を考えるためにあるのが教育であるはずが、過去の話をひたすら覚えさせて終わり、これが日本の教育の問題点である。政治に限らず日本の教育はもっとドラスティックに変えた方が良い。

・ネット普及・情報過多の弊害による"玉"の紛失

ネットの情報は玉石混交だが、石の情報に阻害されて玉に辿りつけない現象が起こっている。一昔前であれば、そもそも情報源が少なかったため、必要な情報も幾分入って着やすかったのだろうが、今はどうでもよい情報ばかりが散乱している。

・政策の分かりづらさ

今の時代は、Appleの製品を始め、”わかりやすさ”が凄く求められてる。直感的に操作できるとか、視覚的に分かる、とか。そういう意味で、各政党のマニュフェストは本当に分かりにくい。(全部みたわけではないが。)

 

HPにアクセスしても、どこを見れば政策が見れるのかわかりにくいし、政策のPDFを見つけた、と思ったら、ひたすら箇条書きでダラダラーっと書かれていたりする。しかもやたら多いし。それでは残念ながら政治に関心を持ってもらえないだろう。要点に絞ってパワポで作れよ。と思う。

■まとめ

政治家も国民ももう変わらないので、次世代の教育を変えるのがベスト。以上。