∑考=人

そして今日も考える。

投票率を上げることに意味はあるのか

今日は参議院選挙でしたね。みなさん投票は行きましたか?私は行ってきましたよ。多分人生で3回目ぐらいです笑。投票所が徒歩2分ぐらいのところにあったので、サクッと。まぁ今回から18歳に選挙権が引き下げられたこともあり、まぁなんとなく行っておこうかな、ぐらいのモチベーションで。

 

とは言え、自分が投票しにいくことで、多少政治にも関心を持てるようになれば良いな、ぐらいには考えています。最近は結構政治絡みの本とか読みますし、政治の問題を考えるのって意外と面白いんですよね。答えのない問題を考える思考トレーニング的な位置付けで。なので、正直自分が投票した人が当選するかどうかとか、自分の意思が社会に反映されるかどうか、とかはほとんど興味ないです。

 

そもそも、自分の一票が社会を変えることなんてないですよね。政治団体が出している政治がらみの本とかを読んでいると、やっぱり「一人一人が投票をすることでしか世の中は変えられない!だから投票に行こう!」みたいな主張が多いですけど、あれって医者の不養生ですよね。自分一人が投票するだけでは世の中が変わらないと思っているからこそ、あーやって大勢に対して呼びかけているわけですから。で、そういう呼びかけを聞いて投票に行く人って単純にその人の意思に流されているだけ。

 

実際、今の選挙ってほとんどそうで、政策に民意が反映されているって感じではないですよね。投票している人も、政策とかはあんまり知らないけど、なんとなくあの人良さそうだから、とか戦争したくないから憲法改正反対、みたいにすごく薄っぺらいところで自分の意思を固めてしまっている気がします。

 

と、そんな状況の中で投票率を上げることに一体どれだけの意味があるのか、というところを今回は考えていきたいと思います。若者の投票率が低く、老人の投票率が多いため、結果的に老人に有利な政策ばかりになっていくシルバー民主主義状態は今に始まった話ではないですが、かといって今若者たちが投票に行くことによって何かが変わるのでしょうか。

 

仮に今回の18歳選挙権引き下げに伴って、若者が一斉に投票に行ったとして、そこに若者の本当の意思は反映されない、というのが私の仮説です。なぜなら、若者は政治の仕組みも、政策の種類や優先度、それぞれのメリットデメリットなどを理解しきれないからです。私だってほとんど知りません。

 

こういった状況になっている原因は何か。全ては教育のせいです。学校で政治の仕組みをサラッと教えこそするが、日本が今どんな問題を抱えていて、それに対する対策として各党はどんな政策を掲げていて、それを実行することによってどんなデメリットが生じるのか、など踏み込んだ教育はしません。

 

これは日本教育が政治的中立という立場を取っているからです。教育の中に政治を取り入れてしまうと、教育者の意思が大きな影響を与えてしまうことを避けるためです。これは今回の18歳選挙権引き下げのデメリットとしても懸念されていましたね。

 

さらに言うと、日本では社会に出てからも政治の話をするのはタブーとされています。ビジネスマナーの本にも「雑談は天気の話から入り、政治の話など価値観の対立は避ける」よう推奨されています。というわけで、政治についての知見を深める場は一生与えられないのです。個人の意欲に任されています。

 

私が思うに、もう一世代前の頃は親が政治のことを子供に教える風潮があったのだと思います。だから一定の投票率は保たれている。しかし、政策がどうこうという話まではしてないでしょうね。単純に「投票には行きなさい」みたいな親からの言いつけをただひたすら守っているだけに思えます。

 

単純に「投票に行きましょう」じゃなくて、政治のことを教える仕組みがまず必要じゃないですか。で、それができる場所って、もう学校しかないんですよね。もちろん、バラエティ番組とかでうまく政治を取り入れてる番組とかも良いですけど、番組で扱える情報量には限りがありますからね。

 

政治的中立というのなら、中立の立場で、各政党について教育すれば良いではないでしょうかね