∑考=人

そして今日も考える。

ディスカッションバカになってはいけない

会社の中に一人や二人はいるのではないだろうか。ディスカッションになると饒舌に話をし、自分の意見をいけしゃあしゃあと発言する人。「議論で発言しないやつに価値がない」という意識が根付いた人間が陥りがちなパターンだ。

 

無論、会議の場で何も発言をしないよりはマシかもしれない。ただ、発言だけをひたすら繰り返すことにそれほど大きな意味はない。しかし、発言にある程度慣れてくると、自己顕示欲が出てくるのか、自分の思考に陶酔してしまうのか、なんなのか、そういう”ディスカッションバカ”になってしまう人がいる。

 

議論というのは基本的に2パターンしかない。一つは結論を出す場であり、もう一つは気づきを得る場だ。これらが意味することは何だろうか。それは決して「思考を深める場ではない」ということだ。なので、どんなテーマであっても、長時間議論をするべきではない。

 

もちろん、議論によって思考が深まることもあるだろう。だから、議論はどんどんしていくべきだ、と考えている人もいるかもしれない。でもそれははっきりいって生産性の低下を招いている。

 

気づきさえ得れば、各々がそのインプットを元に情報収集を行い、思考を深めることは可能である。次は結論を出す場で、再度話をすればいいのだ。その方がはるかに生産性は高い。

 

一般的な会議であれば、大抵の場合が時間が決まっているので、それほど無駄話に終わることは少ないかもしれない。しかし、休憩程度の小話のような、ちょっとした相談のような、それも割と立場の近い人同士の会話がこのような議論に発展していくケースも多いのではないか。

 

当の本人達は沢山話して頭の中はスッキリしているかもしれないが、それはたぶん一人でやるべきだったし、必要以上の時間を掛けている、場合が多い。たとえ会議の場ではなくとも、「結論を出すために」あるいは「気づきを得るために」という意識を持っておかなければ、ディスカッションバカに認定されることになるのでご注意を。