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そして今日も考える。

Low-code開発とは

最近、「Low-code(ローコード)開発」というキーワードを耳にするようになった。具体的にはプログラミングが必要ない開発のことだ。そして、それはローコード開発用のプラットフォームによって実現される。

 

例えばどういうことか。通常であれば、html, css, javascriptなどの言語を用いてWebページを作成する。このはてなブログのテーマなども、誰かがそういったプログラム言語で記述したものだ。

 

しかし、ローコード開発プラットフォームでは、Webアプリケーション(ホームページ)などをドラッグ&ドロップなどの直感的な操作によって作成できる仕組みが提供されている。つまり、プログラムの知識がなくとも画面のデザインができるということだ。

 

他にもデータベースを簡単に作れたりする。もちろん、設計項目を考える必要はあるけれど、それをsql言語を使って記述したり、Webフォームとデータベースへの挿入を関連づけるのも直感的操作でできるので、プログラミング言語を使う必要がない。

 

ただ、これらの技術は最近になってできるようになった、というわけではなく、結構前からある統合開発環境Android Studioなど)でも提供されてはいた。ただ、なんというか技術者目線で考えれたときに、「コードを書かないのに開発と言えるのか?」といった葛藤や「技術習得を怠り甘えているやつのやること」みたいな風潮があったのだと思う。

 

私もAndroidアプリを作った時は全てコーティングで作った。GUIだと微調整ができない、という機能的な問題もあったが、やはり開発=コーディングという考え方があったからだ。

 

しかし、ローコード開発というキーワードが浮上してきたのは、世間にこのような開発が受け入れられ始めた背景が存在するからだ。考えてみれば、アセンブラに始まり、C言語、htmlなどプログラミングは時代を重ねるごとに簡単になってきている。それらも当初は技術者の甘えなどと揶揄されていたかもしれないが、今では当たり前になっている。それらを踏まえれば、今後も普及していくのは間違いない。

 

言うなれば、英語を必死で勉強して外人と話すよりも、翻訳アプリを使って話すのが当たり前になっていくようなものだ。確かに英語を話せるのはかっこいいかもしれないが、外国人と話すという目的達成のために必ずしも英語を勉強しなくても良いならみんなそうする。英語はただの手段だからだ。

 

プログラミングも全くもって同じで、要するにサービスを提供するための手段でしかない。だからわざわざ複雑で難解なことに時間をかけなくてもいいし、その方がビジネス的には合理的なのだ。プログラマーの時代が終わりを迎えつつあると思うと少し感慨深い。

 

ただ、誰でも使えるほど簡単なのか、というと正直そうではない。今、私も現在の開発案件でこのローコード開発プラットフォームを使って開発をしているが、使っていて思うのは、結局システム設計のスキルは必要だということだ。

 

本当に優秀なプログラマーであれば、何を使うにせよ、良い設計で勝負していくことを目指して欲しい。