ドラマ半沢直樹の最終回で、主人公である半沢が、自分を裏切った近藤に語りかけるシーンがある。
生きてくって大変だな。ときどき思うよ。なんで銀行員なんかになっちまったんだろって。・・・
社会人になってこのシーンを見ると、妙にじーんとする。この「生きていくって大変だな」って言葉に非常に共感してしまう自分がいるのだ。私も時々思う。なんで今の仕事なのか。なんで今の自分なのか。
私は収入も安定してるっちゃ安定してるし、労働時間だって極端に多いわけじゃない。仕事だって別につまらなくはない。警備員みたいに単調な仕事に比べればずっと面白いはずだ。それでも、毎日大変なのだ。そして、これからずっと今ぐらいの大変さは続いていくのだろう、と考えるとやはり憂鬱である。
では、子供の頃は楽だったのだろうか。そうではない。考えてみれば、楽な時なんてのはほとんどなくて、常に切羽詰まっていた。夏休みの宿題は終わらせなければいけない、毎日部活はしんどいし、バイトもしんどいし、学生を全うするためには勉強も必要で、研究しないといけない。決して楽ではなかった。さっさとシンプルに社会人になりたいと思っていた。
ただ、学生の頃に比べて暇になった感覚はあるけれど、楽になったという感覚は正直あんまりなくて。一方で学生の頃よりも楽しくなった、という感覚もない。はて。学生の頃に思っていた社会人はもう少し面白いものだと思っていたけれど。
慣れてくると結局飽きてくる。業務に飽きるというのはもちろん一つあるとして、人間関係に飽きる、というのもあるし、毎日目にするものに飽きている、というのもあるかもしれない。
考えてみれば、大学院で別の大学にいったのも、5年も同じところに所属していると、もうさすがに飽きたな、と思ってしまうのだ。
今の私も5年目なので、たぶんそういう頃合いなのだろう。そもそもそんなに気の合わない人たちとずっと一緒にいても楽しいわけもなく。限界が見えていて、ほとんどのことが飽和状態になっているのだ。
ただただ飽きない何かを見つけたい。