∑考=人

そして今日も考える。

マリオメーカーは革命

Youtubeで「明日香チャンネル」というマリオのゲームをひたすらクリアする動画チャンネルがある。ただ遊んでるだけじゃん、って話なんだけど、チャンネル登録ユーザ数がなんと40万人を超えているという驚き。

 

で、見てみるとこれが結構面白くて。40万人の人を魅了するのも頷けるというか。で、その面白さは何から来るものなのだろうか、と少し考えて見た。

 

もちろん、当人のプレイ中の解説とかも面白いんだけれど、やっぱり決定的なのは、「マリオメーカー」というゲーム自体の革命性、というが私の結論。

 

一応知らない人のために補足すると、マリオメーカーとはその名の通り、誰もが一度はやったことのあるであろうマリオのゲームを自分で作ることができるゲームだ。このゲームの何が凄いって、要はみんながゲームプログラマーになれる、ってことであり、つまりは消費者から創造者へ変わったと言う点が革新的なのだ。

 

創造市場というのは、近年は確実にマーケットとして拡大している。おそらく、大量消費の時代に多くの人が飽きを感じ、創造を新しい娯楽として捉え始めているからだ。近年成長するサービスの多くは人の創造性を駆り立てている。

 

LINEスタンプ・Instagramなど、あるいはメルカリとかもそれに該当する。そして創造する人たちに支えられたサービスは、アップデートのスパンが非常に早いため、消費に新しさが生まれる。結果的に利用者にとっても面白いものになる、という好循環が生まれるのである。

 

マリオメーカーの場合も、同じで、①マリオメーカーにて多くの人が娯楽としてゲームを創造する。②新しいステージをクリアする(消費する)人が増える、と言う流れで利用者が増えている。

 

ただ、マリオメーカーが他のサービスと決定的に異なっているのは、「消費の仕方」自体に対する面白さがあることだ。つまり、「人が難しいステージをクリアしている様」も一つの作品になる、ということ。

 

それはゲームのスポーツ性というか競技性によって達成される性質なのだろう。例えば、Lineの非常に作りこまれたスタンプやInstagramに投稿された美しい写真は万人が平等に楽しむことができる。そこに競争原理が存在しないからだ。逆にいうと「消費の仕方」に差異はなく、よって価値もない。

 

しかし、ゲームはプレイする人によってその結果に差異が出る。昔、神動画というサイトでゲームを最速でクリアする動画とかが流行っていたけれども、これらが人気が出るのは、普通の人にはできないことをできる希少性があるからで、それはプロ野球が人気なのと全く同じ理屈である。

 

大げさに言えば、マリオメーカーは、「誰にでも簡単に新しいスポーツを作るためのプラットフォームを作った」のである。スポーツ観戦に踊らされている人口数を鑑みれば、どれほどの影響を起こしているかは計り知れない。