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そして今日も考える。

CtoCビジネスの本質

既存業界をディスラプトするCtoCというビジネス形態

攻めのITとはマッチングだと言われることがある。確かにデジタル変革の文脈で語られるITサービスの例としてよくあげられるのが、

そんなところだ。

まぁメルカリはビジネスの形としてはすごく新しいわけではないけれど、これらのビジネスがこれまでマッチングできなかった人たちをマッチングさせたことで、ビジネスとして成立する仕組みを作った点が新しい。 CtoC市場とも言われる。CtoCの出現によって、タクシー業界や民泊業界は脅かされている。今となっては同じようなマッチングサービスの出現には枚挙に暇がない。今は大丈夫な業界でもこの先、デジタルディスラプターに脅かされる業界は必ず現れる。

CtoCの本質

実はCtoCビジネスが成立するための原則がある。「本質的な提供価値がコモディティなもの」はいずれCtoCとして提供される。 タクシーが提供してくれる価値は何か?楽な移動だ。出前が提供してくれる価値は何か?食材を家まで運んでくれることだ。 ではそれらの価値を提供するために高度なスキルが必要だろうか?車を運転できる必要はあるが、高度な運転技術は要らない。

ちなみに、日本の人口が1億2000万人程度の中で、運転免許を持っている人は8000万人程度なので、2/3は同等の価値を提供できる、ということ。 誰でも代替可能なスキル、これがつまりコモディティである、ということだ。

他にも大量のリソースを保有することのみが強みにサービス提供している企業もCtoCサービスに奪われる可能性が高い。 だって少量のリソースを持っている人がたくさん集まれば、大量のリソースを持っていることと同義だから。 わたしが働いているSIerというのもある意味、大量にエンジニアを抱えていることが一つの武器だったりするので、 クラウドソーシングとかにとって変わられる可能性もあり、ひやひやしちゃう。

コモディティとは何か

時間さえあれば誰でもできるようなことはコモディティであると言える。例えば、ダフ屋のようにチケット購入のために1時間並ぶ、 授業中の黒板を一字一句正確にノートに書く、などもCtoCビジネスとして十分成立する。 私、個人で言えば、美味いラーメン屋とかは代わりに並んでくれる人がいればお金を払し、間違いなくそういう”お金で時間を買いたい”と思う人はいる。

ちなみにコモディティでなければ安心、ということもない。 CtoCはコモディティではない業界の仕事でも奪っていく可能性がある。要するに業界を問わず、中抜き現象がおこるのであって、単純に仲介業者として管理する立場は淘汰される。 強いていうのであれば、コモディティ化がそこまで進んでいない仕事であれば、素性のわからない人間に作業を委託しにくい心理が働いて、ビジネスが活性化されにくい、というだけだ。 時間がたてば、別にクラウドソーシングでも全然問題ないね、と誰もが思うことだろう。

事業化する力が必要

そもそも、今の時代に本当の意味でコモディティではない力なんてものはない。無理だ。だから身に着けるべきなのは事業化できる力。事業化する力はたとえコモディティ化しても稼げる。 逆に稼げないということは事業化する力がないということ。 少し上の視点から世の中を俯瞰したい。