∑考=人

そして今日も考える。

デジマの幻想

個人的な見解だけど。市場で流行っているほど、私は「デジタルマーケティング」とか「データ活用」みたいな分野に未来があるとは思っていない。もちろん、今後も市場としてはまだ伸びるとは思うし、私が好きじゃないだけな可能性もある。

 

特に私がいつも疑問に思うのは消費者に対するレコメンド機能。あれって本当に機能しているのか。もちろん、効果がないとは言わない。私だってクーポン発行されたタイミングで洋服を買うこともある。でも、それはいずれは買おうと思っていた品だったりするので、購買機会を本当に増やせているのかが疑問。

 

レコメンド機能が一番フィットしていると感じるのは、やはり今でもAmazonの書籍レコメンドに限る。あれは何となく買ってしまうことがあった。ポイントなのは趣味嗜好としてのジャンル自体がちゃんと確立されている分野で使うことだ。

 

例えば、本を読む人のほとんどは「本を読むこと」それ自体が好き、それ自体が目的の人が多い。つまり、実際の中身(コンテンツ)はその枠に捉えられていれば何でも良い、みたいな場面で効力を発揮する。

 

まず、こういった意味でマーケティングとは「嗜好品」に対してのアクションにある程度限定されると私は見ていたりする。だって、家電とか生活必需品みたいなところでレコメンドされても困るわけで。冷蔵庫を買ったあなたには洗濯機をおすすめ、みたいなことをしてもうーん、という感じ。

 

もちろん、「家電」というジャンルが嗜好として好きな人には効くと思う。だからどちらかというと、必要性に駆られた購買なのか、その人の嗜好に基づく購買なのかをちゃんと見分けることが重要なのだろうと。今そう思った。

 

で、そういう意味でいくと、社会のインフラっぽいサービスとマーケティングって実は結構相性としては良くない気もしていて。例えば、コンビニ。コンビニって行きたくて行く場所ではなく、どちらかというと仕方なく行くところ。生きるためには食べ物が必要で、でも作るのはめんどくさい、だからコンビニに行く、という感じ。

 

だから、最近はO2OとかOMOとかいろいろと新しい概念が提唱されてはいるけれど、いまいち本当にハマっているのか、という感覚がある。少なくとも私は過去におそらく数十万以上、コンビニにお金を落としていると思うが、レシートについているクーポンを使ったことが一度もない。

 

つまり、クーポンを使いたくてコンビニに足を運ぶということもないのだ。コンビニでレシートを受け取らない人の多さを考えれば、私以外も同じような感覚なのではないだろうか。それが小売×マーケティングに私が懐疑的な一つの理由。