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そして今日も考える。

エンターテイメントでしか稼げない時代がそこまで来ている

それだけ平和になったということであり、世の中に解決すべき課題が無くなりつつある、ということ。もちろん、局所的な課題はいくらでも存在するが、平均的な人が普通に生活を送る上での課題なんてものはほとんどなくなっている。

 

解決すべき課題がないという事は、ニーズが存在しないということであり、ビジネスが生まれないということと同義である。だからこそ課題発掘が大切だと言われる時代になっているが、実際のところ課題を把握するのはやはり容易ではない。

 

一方で莫大な金額を稼ぐ個人というのが最近は登場しているいわゆるインフルエンサーであったりYouTubeなどに見られる著名人の方が該当するだろう。そして彼らの価値の本質こそが「エンターテイメント」なのである。

 

1番わかりやすい例がフワちゃんあるいはお笑い芸人のチャンネルなど。こういったコンテンツは基本的には面白いかどうかと言う視点で評価される傾向にある。つまりその動画を見た結果得られるビジネス成果など一切関係のない人間の感情に訴えかけるビジネスそれがエンターテイメントなのである。

 

一方で最近のYouTube動画の中には教育系コンテンツであったりビジネスマンを対象とした自己啓発動画なども散見される。これらは一見、いわゆるエンターテイメントとは異なると考えている人もいるかもしれない。

 

だが、本質は全く同じだ。なぜならばやはりこれらの動画もビジネス成果につながるつながらないとは関係なく、面白いかどうかが命運を分けるからだ。断っておくといわゆる自己啓発書と呼ばれるものでさえエンターテイメントと呼べると私は考えている。

 

これらを踏まえれば、最近流行っているオンラインサロンと言うビジネス形態もエンターテイメントの一種であることに気づけるだろう。結局のところ、彼らから教わっていることが正しいか否かに限らず、人気さえあればビジネスとしては成立するモデルだからだ。

 

 

ぶっちゃけIT業界も今エンタメに転じようとしているのでは、という見方を私はしている。最近流行りのDXにつきものなのが、PoC(概念実証)と呼ばれるお試し商用導入であるが、ほとんどのケースでビジネスにまでは繋がらない。

 

派手なニュースリリースを打って、社会の注目を得ることがもはや仕事のようになっている。こうなるともはやエンタメである。なぜならそれ自体は私たちの生活に大きな変化をもたらしていないのだから。

 

別にエンターテインメントが問題だと言っているのではなく、もはや人が生活をする上で必要なコストが格段に安くなったために、生産に関わる人が不要になってきたというだけなのである。

 

AIが仕事を奪うなどと言われる以前から、ITが労働力を減らしてきた。当然、労働力を不要にした分だけ異なる仕事は生まれるが、元奪った以上の雇用を生むことはない。だから高度なエンジニアの需要は上がるけれども、それ以外はぶっちゃけ必要はないのだ。ただ、そこに何とか必要性を見出そうとみんな足掻いているだけ。

 

例えば、近年非常に注目されているデジタルマーケティングなどの分野に関しても私は限界があると見ている。いかにレコメンドがパーソナライズされようが、エンタメ以外の領域では必要量が決まっているので消費の額は大きくは変わらない。

 

少し考えればわかる。ましてそれは別に課題解決でも何でもなく、ただ企業が稼ぎたいがために無駄な消費を強いているだけだ。こんなことに莫大な投資をしている企業活動こそがもはやエンターテインメントなのかもしれないと思うほどである。

 

価値なんてものを真面目に考えることがアホらしい。