∑考=人

そして今日も考える。

結局、2020年はどうだったのか?

今年もついに終わる時が来ましたか。恒例の(と言いつつほとんど実は振り返っていなかったが)振り返りをしていこうと思う。

 

結論から言うと、今年は結構良い一年だった。

 

もちろん、不満なこと、上手くいっていないことはまだまだある。社会的に見れば「コロナ」などと言う未知の感染症が蔓延し、今年一年の漢字は「禍」になってもおかしくない。それでも、だからこそ、今年は本当に良い意味での色んな変動もあって個人的には良かった。久しくこの言葉を使っていなかったが、この一年は”面白かった”と言っていいと思う。

 

その理由の多くは仕事だ。そもそものきっかけは昨年度末に異動希望を出したことだが、やっぱりこれが大きい。面倒くさがらずに重い腰を動かして大正解だった。(結局、元々聞かされていた仕事とは全然違うことをやらされることにはなったが、今のところはまだ結果オーライとしておこう・・・)

 

昨年度の炎上プロジェクトは最終的にはかっちり品質固めて年明けの1月の商用リリースもノントラブルで終わった。商用リリースした店舗できっちり2万勝つというのも幸先の良いスタートだった。

 

2月からはチームを離れてレジレスサービスの開発というキラキラした最先端開発を実施する、、、はずだったのだが、なぜか別業界の顧客からRFP(システム提案してくれーという依頼)があったらしく、そこの要件定義&見積の体制に2週間限定で打ち込まれる。しかもなぜかアプリとインフラの両方に名前が組み込まれているという。(※ちょっと大きい私のようなIT企業だと、アプリ系とインフラ系は人が分かれるのが通常なのです。)

 

これが無茶振りではあったが、良い経験だった。システム構成なんとなく考えたり、機能ってこうやって定義していくのね、みたいなこれまで知識として知ってはいたけど実際どうやれば・・・?みたいなことが腹落ちした。ついでに、別チームの人や営業の人と一緒に仕事をする機会は初めてだった中で、私のアウトプット力をかなり認めてもらえたという手応えがあった。残念ながらコストのせいでコンペに負けて受注はできなかったけど。

 

3月からやっと当初予定していた開発に参画することになった。が、イメージと現実は違った。そんなに過度な期待していたわけでもなかったけど。結局試験工程に差し掛かっていたこともあり、試験管理、品質管理、ベンダとの折衝がメインで、「結局これまでの仕事とほとんど一緒やないか」と嘆くハメに。

 

そんな中、年度末に予算が余ってるから使い切らなければ!みたいな大学の研究室みたいな理由から「300万円使って良いからベンチャー担いで1ヶ月でなんか作って」というオーダーが組織長から入る。与えられた情報はそのベンチャー企業の社長の名刺に載っているメールアドレスのみ。これまでと裁量の違いにビビった。

 

英語でメールのやり取りしながらNDA締結したり、Web会議とかもしたのは非常に新鮮だった。この時の技術検証結果がなかなか講評で、他組織からの引き合いもあったりで、この1ヶ月で〇〇ベンチャー担当の人みたいなレッテルを貼られたりもした。これも確実にチーム内プレゼンスにはつながったんでは。

 

この時期にちょうど私のチームはフルリモート対応に舵を切ることになり、TeamsやZoomなどの新しい対応とか遠隔会議で意思疎通を測らなければならなくなった上、プライベートでは挙式もあったため、能力的、時間的、環境的にも色々大変だったが、そういう逆境感も含めて今振り返ると決して悪くなかった。

 

4月からは完全に新体制の企画チームになった。この課長と年下の先輩と私、という3人だけのチームが、「ミッションは決まっているが、やることは何も決まっていない」というチームで最初はカオスだった。ミッションは「新しいビジネスを作ること」ぐらいだから、何もないのと同じという。

 

「そもそもおれ、企画に興味ないんだけど」とか思いながらも、この体制で何をしていくか、どうやっていくか、というのを日々考えた。これもまた結構良い経験。それはこれまでいかに考えずに仕事をしてきたのか、ということを客観視できた点。

 

気づいている人沢山いると思うけど、実は考えなくてもできる仕事って社内には山ほどある。炎上プロジェクトを色々支援してきた私から見ても、得てして人は忙しい時ほど考えずにこなす、というやり方に逃げがちなので皆さんもご注意を。すごく年次は上なのに仕事できない人をよく見ればわかる。だいたいそういう仕事のやり方ばかりしてるから。

 

話逸れたけど、活動目的の言語化、KPIの設定、活動計画策定、チーム内の管理ルール、ドキュメントなど、全てを考えて定めた。「これは一体何の仕事なんだ?笑」という気持ちを押し殺して「これを意義ある活動にするには?」を考え続けた。その結果、チームとして普通に活動が回るようになったし、他組織へ貢献するところまではいけたと思っている。

 

これまで全く興味なかったけど、意外とこういう立ち上げも悪くはないことに気づけたのも良かった点の一つ。こういう大変さを「産みの苦しみ」とよく言ったりするが、個人的にはただ沢山の仕事を日常的に何も考えずに消耗していくよりは全然いいと思った。

 

5月以降数ヶ月間は海外ベンチャー調査をやったり特許調査をやったり、そこから考えられるサービスの使い方とかユースケースを考えたりした。その結果を事業部内にセミナー形式で発表したり、オウンドメディアを使って記事を執筆したりした。

 

アウトプットとして求められることによって、最新のニュースやトレンドを自然と追いかけるようになった。あとは、こういった匿名形式のブログではなく、会社のメディアに実名で記事を投稿できた、というのは一人のブロガーとしてはかなり達成感のあった成果でもある。

 

ただ、こういった活動も数ヶ月続くと新鮮さが薄れ、しんどくなってくる。まず、顧客を抱えているチームではないので、常に自分との戦いが求められる点。極端に言うと、サボろうと思えばいくらでもサボれてしまう。。そして、売り上げに繋がるまでの道のりが遠すぎて、今の活動本当に意味あるのか?という迷いが常に生じる点。加えて、課長が結構パワハラ系。案の定、私と非常にノリの合う年下の先輩は転職してしまった。

 

私自身も企画をやっていく中で色々と腑に落ちた点があった。初めから思ってはいたが、結局テクノロジードリブンでサービスを考えるべきではないし、先進技術を使える使えないは顧客や業務特性が支配的であるということであった。ビジネスを作るのがチームミッションだとすると、やっぱり私もこの組織でこのまま活動を続けてもしょうがないなぁと。そもそも私は技術軸を捨てるつもりはなかったので。

 

そんなこんなで、コーチングを受けたり、軽めの転職活動をしたりもした。今年は昇格のための社内資格取得のために職務経歴表みたいなものを作っていたこともあり、無駄に手間をかけることもなく、ノリで面接を受けることができた。ただまぁそのせいか、技術系質問にほとんど答えられず不採用だったけど。結構行きたい会社なので、もうちょっと勉強してから挑もうかなぁという感じ。逆に他の会社とかベンチャー系とかは、そこの作ってるサービスを好きじゃないとあまり乗り気になれず。

 

と、まぁ仕事やる気ほとんどなかった頃にまた概算見積提示の仕事が来るという。今回は人が少ない(ほぼ一人でやる)代わりに期間が1ヶ月ぐらいと長かったので、比較的楽だった。概算見積の仕事は基本的には面白い。システム構成とか要件定義とか超上流を考えられるから。楽しくないのは、結局論理のない数字の根拠をそれっぽく偉い人たちに説明して承諾してもらわないといけないところ。でもそれら含めて中々この年次でやらせてもらうことって少ないので、非常に良かった。

 

それが11月中頃に終わった矢先、また別の新規サービス構想検討で2週間ぐらい駆り出され、今月に至る。これもファンを楽しませるためのサービスぐらいのコンセプトレベルからサービスアイデア、機能一覧、画面イメージなどを具体化するところまではやった。どうも案件化に繋がるかはまだまだ不透明だけど、上流工程検討の経験値が溜まっていることは実感できた。

 

そして、今月からまたやることが変わったという。それも割とドラスティックに変わる。職種で言うと、データサイエンティスト、業界で言えば放送。業務内容も普通にコード書いたりするとこからパワポ作ったりとかなりマルチにやる感じで、結構私の嗜好とも近く、いい感じである。

 

ということで、転職はしたいが、今の仕事のモチベーションは高いまま(まぁいつまでもつか問題はあるにせよ)今年の終わりを迎えられそうなことと、改めて振り返っても本当に色んなことやった一年だったなぁということで、やっぱり良かったと言っていいでしょう。

 

結局、色んな仕事をやると色んな人と仕事をすることになって、色んな人と仕事をすると、自分を客観視することができるわけで。相対化というか。つまり、自分ってこれができるんだな、逆にこういう課題があるな、とか。それが会社の中でどのぐらいのレベルなのか、みたいなこともわかる。めちゃくちゃ凄い人と一緒に仕事をできる確率も上がる。(ほとんどいないけど)

 

これからしばらく(転職しない限り)はたぶん腰を据えて今の仕事をやることになるだろうけど、珍しく頑張って行けそうな気がしている。そんな気持ちのままあと10日ほど働ければと思う。