読書が当たり前になりすぎて読書=自己投資だと勘違いしている人に薦めたい一冊。
読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方 (知的生きかた文庫)
- 作者: 藤井孝一
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2013/12/24
- メディア: 文庫
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タイトルの通り、メインの主張は、人に話す、書く、行動することによって読書は自分の中に蓄積される、という旨の内容。裏を返せば、アウトプットを怠っていると、単なる頭でっかちの人間になってしまいますよ、1%しか本から学べませんよ、ということです。
私自身、最近は読書が当たり前になりすぎて、惰性で本を読んでしまうことが多かったです。特に、ビジネス書を読むと、これ知ってる、これも知ってるみたいな感じで読み進めてしまい、読み終わった時に、結局この本には何書いてたっけ?という疑問しか残らないということもありました。
この本で述べられている通り、本には娯楽としての楽しみもあります。新しい知識を得ることはそれだけで新鮮味があって面白いことだからです。しかし、逆に言うと、新鮮味がない本に関してはあんまり面白くない、ということにもなりかねます。それは何というか、読書自体を十分に咀嚼できていないということなのかもしれません。
この本に書いてあるとおり、どんな本を読むにせよ、「何が書いてあるのか?」「そこから何を学んだのか?」「それを何に活かせるのか?」という視点を持つことは非常に大切だと改めて感じました。結局、行動に落とし込めてこその読書であり、それができなければただの娯楽なのです。
この本では、読書によって、身につけられる要約力や俯瞰力などのスキル、そしてそれらを身につけるために必要な読書をする際の心構えについて紹介されています。当たり前といえば当たり前のことなのかもしれませんが、改めて考えてみると、読書をする上で非常に大切なことです。
私も、読書の制限時間を決めて、斜め読みをするように最近なりましたが、短時間で体系立てられた知識を得られるかどうかは、自分の読解力にかかっています。読書をしたこともない人にとっては質より量を優先するのも良いと思いますが、いつまでも量ばかり優先していては、どんどん学びは少なくなっていきます。
乱読は継続しつつも、短時間でいかに良質な情報を得ることができるか、は自分自身の姿勢に関わっているのでしょう。読書は絶対的に自己投資になるかというとそうではありません。読書家である以上、いつになっても能動的に読み取り、出力していくという心構えを忘れてはいけない。そんな初心を思い出させる一冊です。