∑考=人 〜プロメテウス〜

そして今日も考える。

NEET株式会社を勝手に評価する

NEET株式会社というものが発足したようですね。やたら話題になっています。私も是非入社したい(笑)。全員が取締役という異例の組織形態です。NEETの語源はNot in Education, Employment or Training、すなわち学生でもなければ雇用もされていない、という状態を表します。だからニートを語る以上全員が取締役である必要があるとか。中々面白い発想です。

 

ホームページを見てみたんですけど、まぁどう考えても真面目にやっているようには見えません。仕事を義務と捉えている人からすると、「ふざけるな」と言いたくなる気持ちもわかります。業務に一貫性がなく、そもそも業務と呼べるレベルの仕事なのかもわかりません。経営理念がありません。そんなの会社としてアリなのか、という議論が当然沸き起こります。

 

私がこれを見て思ったのは、家入さんのLivertyに似てるよねー、ってことです。正確にはこちらは株式会社ではないし、モノづくりに特化しているという点では少し違います。でも、両者の考え方で決定的に酷似しているのは、顧客ありきでビジネスを考えないということです。

 

例えば、Livertyでは、所属する人たちが勝手に楽しいことをやって、世の中に受け入れられそうならそれをサービスとして展開する、ということをしています。NEET株式会社も事業内容を「一切の事業」なんて曖昧な表現にしていることからも、顧客の創造というプロセスをすっ飛ばしていることが予想されます。

 

従来の考え方ではありえなかったのでしょうが、時代は変わっています。例えば、IT仰業界の覇者グーグルには「20%ルール」があります。これは業務時間の20%を業務と全く関係ない、自分の好きなことに使用する、というルールです。今では有名な話ですが、この時間の中からGmailなど、いくつか主要なサービスが生まれています。(最近では事実上このルールは無くなってしまったらしいですが。)今後ますます、

 

今世の中に求められているのは、クリエイティブなことです。0を1にできる人材が必要だと嘆かれているは、結局クリエイティブなものが評価される時代だからです。そして、利害関係の排除されたプラットフォームこそが、クリエイティブなことをするのに効果的であるということは立証されてきています。

 

物質的に豊かになりきった今、ビジネスをするためにはまず顧客が必要であり、顧客を集めるためには崇高な経営理念が必要という考え方は、すでに模範解答ではなくなっていると捉えるべきでしょう。みなさんはFacebookがどんな経営理念を持っているか知っていますか?NHNの経営理念に共感できるからLINEを使用するのですか?違いますよね。そもそもLINEというサービスを展開している会社がNHNであることを知らない人も多いんじゃないかと思います。

 

それでも事実として大多数の人たちがこれらのサービスを利用します。つまり、サービスが魅力的であれば、顧客にとって理念なんかどうでもいいのです。こういう事例が増えていることを念頭においておくと、必ずしもNEET株式会社が上手くいかない決定的な理由は何一つ存在しないことがわかります。

 

「ただのお遊び」「会社を舐めるな」といった意見がありますが、これは批判意見ではなく、ただの僻みです。そんな簡単にビジネスを成立されたら、真面目に正社員として働いている自分の尊厳が保てなくなるという恐怖から出てくる言葉に過ぎません。

 

懸念要素があるとすれば集まる人材の質でしょうか。これほど中身の漠然とした会社であるにもかかわらず、人が集まってくるとすれば、ニートや取締役という響き、そして、サークルのような手頃感、承認欲を目的に集まってくる人たちが多い可能性があります。依存を目的に人が集うようになってしまえば、手当の薄さから人が集団から離れていくことが予想されます。なるべく注目の集まっている今のうち、そして発足時の(おそらく)質の高いメンバーで何かしらの成果を出すことが求められるのではないでしょうか。