∑考=人 〜プロメテウス〜

そして今日も考える。

他人の知恵は自分の知識

【マジかよ】Facebook やTwitter をすると思考力が損なわれることが判明 - ライブドアニュース、だそうです。なんでも研究から得られた知見みたいです。使いすぎには気をつけましょう。といっても、ここで言われているのは、SNSの一つの側面である、情報データベースとしての問題点です。

 

同じように、本も情報データベースとして強い側面を持っています。本を読むことに否定的な人は、自分で考える力が不足するから、という理由を挙げることが多いのも、本が情報データベースとして強い側面を持っているからです。

 

また、本やSNSなど(もちろんブログも)はもはや単なる知識としての情報だけが載っているわけではありません。そこに著者の考えを付加されていたり、あるいは別の知識と融合された上での解釈など、知恵としての情報が載っています。知恵のデータベースとも言えるでしょう。そのため、そのまま受け売りの言葉として用いても、なんとなく様になるんですね。私も他人の名言をさも自分の言葉であるかのように勝手に使ってしまうことが増えました。

 

ただ、SNSや本から情報を簡単に得られるようになったことは、悪いことではなく、むしろ良いことだと個人的には思っています。なぜなら、今までなら知恵を振り絞ることでしか答えを見出せなかったことが、知識レベルで確からしい回答ができるようになったからです。

 

確かに、知恵を使う機会自体が減ってしまうため、思考力は低下する傾向にはなるのでしょう。でも、それってそんなに悪いことでしょうか。そもそも、思考力があることそれ自体に大きな意味はありません。大切なのはその思考力を活かして何をするか、どんな知恵を作り出すのか、です。

 

思考力が低下するからといった理由で本を読まない、あるいは、新しい情報には触れないようにしている、というのは愚直です。それで高い思考力を身につけることができたとしても、考え出した答えが実は既存のものだった、ということにもなりかねません。高い思考力を身につけることは手段でしかないのです。

 

とは言え、思考力の低下はやはり避けなければなりません。既存の知識にキャッチアップしていくことしかできなければ、やはり新たな知恵を生み出すことはできないからです。しかし、情報に触れすぎると、思考力が低下する、という事実をちゃんと踏まえていれば、思考力の衰退を防ぐことは十分に可能ではないかと思います。

 

思考力を低下させない心構えとして、まず、どんな物事にも正解はない、という前提に立つことです。SNSに載っている情報が必ずしも正しいわけでもなく、本に書いてある情報が必ずしも正しいわけではありません。複数のソースで述べられている意見であっても、より確からしい答えには近づいているのかもしれませんが、やはり正解ではありません。まずこの見地に立つことが大切です。

 

そう考えれば、SNSや本で結論として主張されている「答え」のようなものも答えではないことがわかります。例えば、私が冒頭で引用したエントリでは、「SNSは思考力を低下させる」ということが一目瞭然の結論であり、答えです。でも、これも「答え」のようなものではありますが、答えではありません。不完全であるからこそ、改善の余地があるのです。

 

所詮、他人の知恵は自分にとっては知識でしかありません。逆に言えば、その知識を機起点に知恵へと転換させることができます。そして、浅はかな知識で考えるよりも、たくさんの知識があった方が深く考えることができます。情報収集をいくらしても、その情報を基に思考力を使って自分なりに脳を働かせれば、思考力の低下はいくらでも防げるはずです。