最近、リクルートスーツに身を纏う学生を良く見かける。エントリーシートがどーたらこーたら。就活って8月からになったんじゃなかったっけ?面接が8月からだから就活準備としてはそろそろ本格始動という感じなのだろうか。
就活というと、エントリーシートの書き方はもちろん、Webテストという、日本の勉強しない大学生には頭を悩ます関門がある。中でも文系諸君は数学に苦しめられていたことだろう。私も数名の大学生のWebテストを手伝った記憶がある。
ただ、Webテストの問題自体はそれほど難しくはなく、ゆっくり考えれば誰でも(中学生ぐらいの知識があれば)解ける問題がほとんどである。つまり、難しいポイントは時間内に全ての問題を解くことなのだ。たぶんみんなそれをわかっているはずで、だからこそ数学のWebテストを受験する際は電卓を脇に置いて挑んだことだろう。
実は数学のWebテストにはコツがある。というよりも、そのコツを抑えることこそがWebテストで求められている能力だと私は理解していた。それは一言で言えば概算力であり、オーダーを把握することだ。そしてここがこれまでに私たちがやってきた数学のテストとは明らかに異なる点でもある。
例えば、こんな例題を考えてみよう。
問題
以下の表はとあるコンビニの過去3年間の売上である。 2011年において、ファーストフードの売上は、同年の売上総額のおよそ何%を占めているか。
項目 | 2009年 | 2010年 | 2011年 |
---|---|---|---|
ファーストフード | 310 | 270 | 320 |
日配食品 | 150 | 170 | 140 |
加工食品 | 390 | 410 | 370 |
タバコ | 170 | 210 | 200 |
文房具 | 270 | 260 | 260 |
[A] 14%
[B] 25%
[C] 36%
[D] 41%
[E] 50%
2011年の話なので、表の右端列の数字のみを見れば良いことはご理解頂けるだろう。ファーストフードが全体の何%かを問われているので、全体の売上額とファーストフードの売上額がわかれば解答が得られる。
まず、
全体の売上=ファーストフード+日配食品+加工食品+タバコ+文房具
=320+140+370+200+260
=1290
よって、
(ファーストフード/全体)×100=(320/1290)×100=24.806・・・[%]
したがって、正解は[B] 25%である。
これが一般的な数学であれば模範解答である。Webテストの画面を見ながら必死で電卓を叩いてこのような計算を瞬時に導き出している人もきっといることだと察する。が、ことのほか、Webテストで上記のような解き方をするのはタブー中のタブーである。
私がこの問題を解くのであれば電卓は使いません(別に使ってもいいです)。頭の中で組み立てる計算式は、
3/(3+1+3+2+2+1+1)= 3/12 = 1/4
です。よって25%が正解であると導けます。
やったことは簡単です。合計値を出すときの100の位以下を全て無視して計算しただけです。すなわち概算、というわけです。上の例では、一応10の位が繰り上がる可能性を考慮して1を余分に足してますが、別に足さなくても結果には影響はありません。(3/11=27.27%)また、10の位を四捨五入してから足す、でも良いです。(ただ少し計算手順は複雑になるのでオススメはしません。)
なぜ概算でも解けるのか。これは概算でも解けるような選択肢になっているからです。もし、例題の解答の選択肢が下記の5択だったら概算で解くとほぼ不正解を引きます。
[A] 24%
[B] 25%
[C] 26%
[D] 27%
[E] 28%
ポイントになっているのはオーダー、スケールです。この問題の場合は、だいたい書く選択肢の差は概ね10%ぐらい開いています。つまり半分の5%ぐらいの差は無視しても良い、ということです。5%の差がどれほどなのか、を論理的に突き詰めようとすると難しいですが、この辺りは感覚です。
感覚がない人にはできないじゃないか。確かにできません。しかし、Webテストの数学、特に表問題は概算で解ける問題が多いことを理解しておくだけで十分です。まず、概算でやってみて答えが怪しかったらちゃんと計算する、とかでいいと思います。というよりも、全て正確な数値を算出しようとすると時間が足りません。問題が後半にさしかかってくると、5連立方程式を立てないと解けない、みたいな複雑度の問題も登場します。
あるいは、ネットに掲載されている数字も全く同じ問題が出ることを祈る、というのも現実的かもしれませんね。