∑考=人

そして今日も考える。

リスクを取るってそういうこと

告白しよう。私は本社から徒歩10分もかからないところに住んでいる。それはつまり、朝8時半までに出社する必要があるとしても、本気になれば、8時に起きてもギリギリ間に合うことを意味する。人生のほとんどを会社のために費やすことになるのだから、その通勤時間を最小にしようと心がけるのは、私にとっては実に合理的である。

 

しかし、同期の中で私と同じような選択をしたのは、わずか2人である。その他大勢は、本社の近く(徒歩圏内)に住んだ私をよく罵倒してくる(先輩や上司に言っても馬鹿にされる)。確かに、本社の近くに住むことにデメリットがあるのは事実だろう。

 

例えば、社畜化に対する懸念などがある。実際、終電を気にする必要がないため、深夜にわたる残業を強要される事例はあるらしい。つまり、会社の近くに住むせいで残業が増えるという解釈をする人がいるのだ。

 

確かに残業は増えるかもしれない。しかしである。満員電車に乗って通勤、という生きているかどうかもわからないような時間が圧倒的に増えるくらいなら、残業している方がマシだとは思わないだろうか。私はそう考える。それに残業したとしても、徒歩で帰れる距離に家があるならば安心だ。

 

他の主要な意見としては、交通アクセスが良くない、というものがある。確かに、大抵の会社はビジネス街にあるため、いわゆる都会からは離れているし、交通の利便性はそれほど高くはない。しかし、だからといって交通アクセスが良い場所を選ぶ、というのは実にナンセンスだ。

 

もちろん、私が結婚して、子供がいるのであれば、交通アクセスが良いのは家族にとってはいいのかもしれない。しかし、私個人として交通アクセスの良い町に住んだとしても、そのメリットを享受できるのは、土日のみである。平日は会社に行くんだから。

 

会社までは1時間かかるけど、都会までは5分だよ〜、って喜んでいる人がいたら考えてみてほしい。平日は毎日会社、土日はどちらも都会に遊びに行くとして、電車に乗っている時間は一週間の累計でどうなるだろうか。10時間20分である。

 

仮に、会社までは5分だけど、都会までは1時間かかる人だったなら、4時間50分、半分以下である。電車に乗っていることが生きがいでもない限り、それだけ人生を無駄にしていることになる。

 

最も多かったのは、プライベートと仕事の境目がなくなるという意見だ。これに関しては概ね正しいのかもしれないが、そもそも私はプライベートと仕事の境目がなくなることに何の危機感も持っていない。私にとっては家の中だけ隔離された空間のように感じているので、会社の近くに住んでいるせいで休めないこともない。

 

と、ここまでは自分の正当化力でアンチに対して反論することもできたのかもしれない(もちろん面倒くさいのでそんなことはしていない)。しかし、決定的に私が馬鹿だと思われてしまう理由もあった。それは、本社に配属されるかどうかは定かではないことだった。

 

でもそんな彼らに今だからこそ言える事がある。リスクを取るってそういうことなんだと。そして、不確かさを許容しない限り、理想は手に入らないのだと。

 

今日は配属先が発表された。本社でなかったとしてもそれはネタとして面白かったのかもしれない。もともと覚悟もしていた。しかし、蓋を開けてみれば、本社配属であった。電車のいらない最高の通勤生活、楽しんでいきます。