∑考=人

そして今日も考える。

在宅勤務で生産性は下がるのか?1ヶ月を過ごした結果。

在宅勤務が始まってから、一ヶ月を超えているが、通常勤務の目処は立っていない。今週からは週1、2ぐらいで出社するけれど、この先果たして通常出社できる体に戻れるのだろうか。

 

そしてこうもコロナが大問題化して、志村けんが亡くなるなど、少し身近に感じる事件があると少しずつ心配にもなってくる。

 

ただ、このコロナ問題は悪い面もあったけれど、社会としては一つ確実に成長したなと思う今日この頃でもある。

 

例えば、今の状況になるつい最近までの私の会社といえば、「テレワークなんかできるのは一部のやつだけ」とか「自宅からだとネットワーク繋がらないじゃん」とか「打ち合わせは対面でやらないと伝わらないでしょ」など、テレワークができない言い訳ばかり並べて、結局誰も本気で変えることをしようとしてこなかったんですな。

 

でも、こうしてテレワークをやらないとならない、という状況に追い込まれると、工夫の方向性が変わってくる。

 

例えば、これまでWeb会議をやっていたら、「音声が途切れるよね、声が遅延するよね、だからやっぱり対面で」という結論が導かれていたはずだけれど、「音声が途切れるから喋らない人はミュートにしよう」とか「声が遅れるから音声だけはLINEを使おう」みたいに”Web会議のままで上手くやる方法を考えようになる。

 

これが人間の面白いところで人間のすごいところだなーと思う。そもそも、ほんの2ヶ月前まではIT企業にもかかわらず、「Zoomってなんですか?」みたいなところからスタートしている組織もいっぱいあったはずだけど、「意外とやってみれば使える」みたいな空気になっていて。

 

たぶん、こういうことは色んな中間層の会社の中で怒っている革新ではないかなと思う。その一方で、果たして本当にテレワークでこれまでの生産性が維持できているのか?は皆が疑問視しているところかもしれない。

 

私自身、約一ヶ月テレワークをしてみて所感としては、トータルでの生産性は落ちないと考えている。

 

生産性が上がる要素としては、例えば下記がある。

1. 仕事を遮られず、作業に集中しやすい。

2. 無駄な仕事が生まれにくい。

3. 通勤の負担がないから日々疲れにくい。

 

1. はまぁその通り。特にやるべきことが明確なときや自分一人でできる作業は圧倒的に集中して作業できるから捗る。打ち合わせに関しても、システムで時間を制御されるため、だらだらと延長することがなくなりやすい。

 

2. に関しては、結局人と会話をしないから、やった方が良いけど必須ではないような仕事を依頼されにくいのだ。実際面白いデータがあるらしく、どうも、「人の顔を見ることでその人に依頼する仕事を思い出す」というのだ。重要な仕事であれば、人の顔をみなくてもメールなりで依頼がくるはずなので、重要度フィルタがかけられる。

 

3. に関してもいわずもがなだろう。加えて、特に営業、それも旧時代的に客先に足を運ぶタイプの営業の場合は、これまで客先訪問するための移動時間が労働時間にカウントされていたため圧倒的に作業時間が増える。私の嫁も営業だが、在宅勤務をすると休みの気分になると豪語していた。

 

当たり前だが、もちろん生産性が下がる要素もある。

1. 強制力がなく、労働のモチベーションが維持しづらい。

2. ファシリテーション、コミュニケーションスキルや準備が必要な場合がある。

 

1. は特に人によってその影響は大きく変わるかもしれないが、私もやはりずっと在宅勤務をしていると、サボることが増えた。たぶん生産性が上がったことで、少し暇になり、暇になった時間をサボりに使っているという感じ。だから生産性がプラマイゼロ笑。

 

2. について、やはりホワイトボードなどを使ってその瞬間に意識を合わせたりするのが少し難しいため、うまく打ち合わせをファシリテートしたり、コミュニケーションを取りやすくするための資料を用意しておくなどの工夫が必要になる。パワポで絵を書きながらやったりするけど、それも少し時間がかかる。

 

もちろん、そもそも在宅勤務などできない業種は当然致命的に生産性は下がってしまうだろうが、実際のところ、どうなのかは国の偉い人が統計してくれているのだろうか。ぜひとも確かめたいものである。

 

ただ、私自身としては、生産性が仮に少し下がっていたとしても、生活自体に非常にゆとりはできるので、ワークライフバランスとかを考えると、良い傾向だと思う。これまでは仕事から帰ってきたら、もう何もしたくない、という感じであったが、最近は仕事以外の活動をする気も出てきている。

 

もし、通常勤務ができるようになったとして、働き方を戻す必要もないのかもしれない。